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映画評 「来る」 [映画評]

本作は、第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智さんの小説「ぼぎわんが、来る」を、
中島哲也監督が映画化したもの。
中島作品と言えば、
カラフルでぶっ飛んでいる、
というイメージがあるが、良くも悪くもそのとおりだった。

ホラー映画というジャンルなのだろうし、音やら映像やらで怖がらせる仕掛けもふんだんにある。
しかし、特別怖くない。
むしろ、コミカルな空気さえある。
そういう監督さんであり、個性が出ていると言えなくもない。
ホラーとして成功しているかどうかはさておき。

ラストに向かって盛り上がっていくが、
怖さ湧き上がるというより、
監督さん、どこまでやっちゃったんだろう、という感じ。
そういう気持ちになってしまうのが。映画として成功しているかどうかはさておき。

出演陣が豪華である。
主演は岡田准一さんとなっているが、
妻夫木聡さん、黒木華さん、松たか子さんというビッグネームの面々も主演級の働きをされる。
こうしたメンバー以上に目を引いたのが小松菜奈さんの怪演。
小松さんは、
「黒崎くんの言いなりになんてならない」や「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
といったキラキラ系のアイドル映画に加え、
「渇き。」「ディストラクション・ベイビーズ」「沈黙 -サイレンス-」
など、話題作・問題作にも挑戦されている。
今年公開された「恋は雨上がりのように」でも好演されていた。
まだ22歳。今後に期待が高まる。

映画「来る」は、来るか来るかと待っているうちに終わってしまう映画。
「あれ?来なかった」
と思う人も少なくないのでは?
怖がらせるのならしっかり怖がらせてほしいし、
うならせるならちゃんとうならせてほしい。
どうしても期待してしまう監督さんなだけに。
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