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高校野球の球数制限には疑問あり  ~ 球児が求めている? 誰のため? ~ [ヨモヤ]

この頃、高校野球で投手が連投すると、
「酷使」
「時代錯誤」
などと批判が集まる。
「肩肘を壊して将来を棒に振ったらどうする」
などと言う人がいる。
「特攻精神の名残か」
などと言いだす人までいる。
やれやれ。
高校生の部活動に対して、まあ、えらい騒ぎだ。
高校野球の連投など今に始まったことではないのに。
高校生の耐久性ではなく、外野で見ている大人の耐久性がなくなってきているように感じる。

日本で野球をやっている若者にとって、甲子園は夢である。
なんとしてもそこにたどり着きたい。
そこに行けるのなら、多少の犠牲はいとわない。
連投で肩肘を痛めるとか、
炎天下で身体を壊すとか、
勝手に過保護にしないでほしいと思っている選手は少なくないだろう。

球数制限によって、
「俺が投げていたら勝てていたのに」
「あいつが投げられたら甲子園に行けたのに」
などとなったら、一生悔やむだろう。
球数制限が広がれば、当然、いわゆる強豪校に有利になる。
複数投手制が必須になるから、
選手を集められる私立校が有利になる。
それでは、
「あいつと一緒に甲子園目指そう」
といった熱い思いもなくなってしまうだろう。
甲子園に行けるチームもますます限定されてしまうだろう。
それでいいのだろうか。

高校野球となると、人のうちの子どものことなのに、やけに将来を心配される大人が多い。
なんともやさしいことだ。
しかし、高校野球の後、プロに進む選手は、ごくごくわずかである。
数千校の参加校にいる万単位のピッチャーのうち、
プロに進むのはほんの数人。
率にしたら1%にも行かない。
ほとんどの投手は、高校野球で燃え尽きることをいとわない。
というより、ここで全力を使わないで、いつ使うというのだろう。

球数制限をするのは、大人の都合になっていないだろうか。
球数制限は、何のために、誰のためにやろうとしているのだろうか。
球児の声をどのように聞いているのだろう。
夏の大会に導入される前に、立ち止まって考えてほしい。

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