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映画評 「音楽」 [映画評]

私は、この映画のことをどこで知ったのだろう。
はて?記憶がない。
東京では、新宿武蔵野館だけでやっていて、劇場のホームページを見ると、
なにやら満席状態。
初期衝動たる音楽を、突き抜けた感覚で描いた作品で、
制作期間は約7年超、
作画枚数は40,000枚超ですべて手描き、
クライマックスの野外フェスシーン をダイナミックに再現するため、実際にステージを組みミュージシャンや観客を動員してのライブを敢行、
などと聞くと、これは観に行かねばと。
私もロックミュージシャンの端くれ(?)であるし。

この世界観は、シュール、という区分になるのだろうか。
わけがわからない展開が続く。
自由な作画の自由なアニメ。
展開も奔放そのもの。
面白いと言えば面白いし、笑えるところもあるし、
広く言えば好きな映画と言えるのだが、
なんだろう、もう一息物足りない。
へんてこ話で終わってしまったような気がして、もったいない。

このハチャメチャぶりがいいという方も結構おられるだろう。
その気持ちもわからないではない。
そう思わせる力も確かにあった。
ロックの初期衝動も感じなくもなかった。
それでもなんだかもったいない。
もっと遠くに行けたのではないか。
行けるチャンスはあったのではないか。
そんなチャンスがある映画など滅多にないだけに、ううむ、もったいない。

声優さんは、みなよかった。
岡村靖幸さんの声というか歌というかが出てくるのも見せ場。

「音楽」は、あまり観たことのない映画。
楽しいし、最後まで観させてくれるが、
もうちょっとどうにか、と思った。
ただ、心が動く作品ではある。

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