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映画評 「犬王」 [映画評]

映画も芸術の一つと信じているので、
表現者が表現したいように映画を撮ることは賛成である。
どんどん尖がっていただきたい。
しかし、それがエンタテインメントとして成立するかどうかはまた別の話。
表現者が表現をしているからといって、それがいいものかどうかもまた別の話。

本作は、実験的な作品であると思う。
「狂騒のミュージカル・アニメーション」と謳っているように、
狂おしいくらいに騒がしい。
フィルムコンサートのようでもあった。

にぎやかな映画なのだが、
正直なところ、私は睡魔との戦いに専念させられた。
ストーリーらしきものはあるのだが、ライブシーンが中心。
音楽自体が悪いものとは思わなかったし、
映像もよくできているが、
本筋に感じるものがなかった。
結果、長めのまばたきをしたらそのまま帰ってこられなくなる類の眠気が全身を包み込んだ。

監督は、国内外で各種の映画賞を受賞されている湯浅政明さん。
映画でも活躍されているが、
NHKで放送された「映像研には手を出すな!」も実に楽しかった。
本作は、湯浅監督にしか許されない作品であったと言えるかもしれない。
結果を残してこられたからこそ、やりたいようにやれたのだろう。

この映画がはまる方もおられるのだと思う。
私はちっとも乗れなかったけれど。

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