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映画評 「東京2020オリンピック SIDE:A」 [映画評]

東京オリンピックの記録映画。
残念ながら、評判はすこぶる付きでよろしくない。
スポーツ全般が好きで、オリンピックも大好きな私はまずまず楽しく観たが、
「これじゃない・・・」
と思う人が大勢いるのも十分に理解できる。

すべての日本人メダリストや話題の選手を追うのは時間的制約もあって難しいだろうけれど、
体操も卓球も野球もあれもこれも、ほとんど触れられないのはさすがに。
だからといって、世界のスーパースターたちが躍動しているわけではもない。
そういうのはテレビに任せたのかもしれないけれど、
そういうのは最初からやる気はなかったのかもしれないけれど、
そういうのを撮らない記録映画っていうのもどんなものだろう。
2時間のうちの20分くらいでもいいので、そんなサービスカットもあってよかった。
世界記録の瞬間が収められているわけでも、
世紀の逆転が収められているわけでも、
団体競技の歓喜が収められているわけでもない。
開会式、閉会式もほぼほぼスルー。

というわけで、「なんじゃ、これ?」と思う人が多いこともよくわかるのだが、
個人的にはそれなりに観ることができた。
特徴的な背景を持つ何人かの選手に焦点を当てていて、
「へえ」と思いながら観た。

メガホンを取ったのは、河瀨直美監督。
世界的に評価の高い監督だが、今作では公開前にいろいろとミソを付けられた。
公開館も少なく、客席も寂しく、という状況で、
「映画も無観客?」などと揶揄されている。

河瀬監督とすれば、撮りたいものは撮れたのだろうか。
納得のいく仕上がりになったのだろうか。
客もいない、評価も低いという状況で、せめてそうならいいが。

しかし、50年に一度、というビッグイベントの公式記録映画が、
ごくひっそりと公開されている現状は寂しいと言わざるを得ない。
東京オリンピック。
もろもろうまくいかなかった。

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