SSブログ

映画評 「はい、泳げません」 [映画評]

長谷川博己さんと綾瀬はるかさんの共演によるコメディ、
かと思いきや、それなりにシリアスな内容。
綾瀬さんだけに「おっぱいバレー」的な映画を期待して観に行くと、
「はら?」ということになる。
私はなんの想定もしていなかったので、面白く観ることができた。

あらすじは、
「長谷川さん演じる大学で哲学を教える教授は、過去の出来事がきっかけで顔を水に浸けることもできないカナヅチだったが、一念発起して水泳教室に入会する。
綾瀬さん演じるコーチと共に水に向き合うなかで、長谷川さんは自分自身に向き合っていくようになる。」
みたいな感じ。

ただし、シリアス系にしては、ツッコミどころも少なくない。
長谷川さんと綾瀬さんの二人きりのプールのシーンなど、
そんな展開ありえないよ、
と言いたくもなる場面もいくつか。
綾瀬さんの人物像も今一つ、というか今三つ四つ描き切れていない。
ここはもう少し丁寧にしてほしかった。

そうした穴はありながら、全体としては好感が持てる内容。
長谷川さん演じる誠実な人柄の哲学者が、
自分の過去を正面から受けとめ、
好きな人にきちんと対していくところは気持ちよかった。

麻生久美子さんが長谷川さんの元妻役で出演。
関西弁でしゃべる演出意図は不明。
シングルマザー役の阿部純子さんがよかった。

「はい、泳げません」は、ツッコミどころも少なくないものの、
いい気持ちで劇場を後にできる作品。
思い切り泣くことの大切さも思い出す。

nice!(3)  コメント(0)