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1~3月の死亡者急増の要因は何か [ヨモヤ]

コロナ禍にあって、日本は死亡者を抑え込むことに成功してきた。

「超過死亡」という考え方がある。
これは、本来想定される死亡者の取りうる値を超過した数字のことをいう。
世界保健機関(WHO)によれば、2020-2021年の2年間で、
世界全体では平年より1,490万人もの「超過死亡」が生じたとしている。
この数字は、同期間のコロナ死亡報告(約540万人)の3倍に達する。
つまりこの期間、直接の死因がコロナでなくても、
普通の年なら死なない人が1,500万人も死んだということになる。

一方日本は、20~21年の2年間で、
平年より死亡数が約2万人少なかったとされている。
超過死亡どころか、
皮肉なことに、日本ではコロナ禍で死者が減ったのである。
マスクの徹底などで、コロナ以外の病気が減ったことなどによるのだろうか。
実際、インフルエンザはほぼ皆無だった。

しかし、その傾向が変わったのかもしれない。
1~3月に国内の死亡数が急増したらしいのである。
これは厚生労働省の人口動態調査(速報値)による。
この期間の死亡数が、前年同期に比べ3万8630人(10.1%)多い、42万2037人に上ったという。
この増加数は、同期間に新型コロナウイルスにより亡くなられた数をはるかに上回っている。

自殺は、そこまで増えていないようだから、別のところに要因がある。
一説によれば、それまでに緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が相次いで出された結果、
運動不足によって生活習慣病が悪化したり、循環器疾患のリスクが高まったりしたことが死者急増につながった可能性があるという。

ほとんどの国において、コロナ禍で死亡者が増えているので、
日本も同じような結果が出たというだけのことかもしれない。
しかし、ここに来て急に増えたというのは不自然である。

現在、コロナの感染者は減りつつあるが、コロナに罹らなければ健康というわけでもない。
死亡者が増えた理由の分析をしっかりする必要がある。
そしてその対応についても考えなければならない。
なかったことにせず、事実をしっかり受け止めることが大切なのは、コロナ禍で学んだことの一つであるはずだ。

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