SSブログ

映画評 「20歳のソウル」 [映画評]

本作「20歳のソウル」は、
「20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド」
という本を実写化したもの。
実話をもとにしたストーリーで、
市立船橋高等学校で受け継がれている応援曲「市船soul」を生み出した青年の姿を描いている。
彼は在学中にこの曲を作曲し、
卒業後にガンを発病、
20歳の若さで亡くなってしまった。
そして、本のタイトルにもなっているように、
告別式に市船ブラスバンド関係者が160人ほども集まり、
彼の作った応援曲を演奏したのだという。

この話、どうやっても感動作になるはずだ。
本当に奇跡のような話であるし、
大筋を聞いただけで泣かせどころに満ちている。
しかし、映画は監督次第。
どんなにいい素材であっても、心震わす映画になるとは限らない。
本作は、脚本も今一つ。
原作者が脚本も務めておられるのだが、正直なところ残念な出来栄え。

短いエピソードが次々に映されるのだが、
それが効果的とは思えず。
ブツ切れかつ演出もさえないので、気持ちが積み上がっていかない。
もっと焦点を絞って欲しかった。
136分という上映時間もやたらと長く感じた。

主演は、神尾楓珠くん。
友人や恋人役に若手俳優の皆さんが出演されているが、印象に残る人はおられず。
お医者さん役の高橋克典さんに違和感を覚えたほか、
完全に浮いていた消防隊員役のナイツ塙宣之さんはどういう経緯での出演だったのだろう。

「20歳のソウル」は、なんとももったいない作品。
素晴らしい素材なのに。
いつか、まったく別のスタッフ・キャストで映画化されることをひそかに期待しておこう。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事