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映画評 「わたし達はおとな」 [映画評]

この映画でよかったところは、終わってくれたこと。
途中から、早く終わってくれることを強く念じていた。
終わってくれてよかった。

監督の加藤拓也さんという方は、28歳の新鋭。
やりたかったことは、少しだけわかる。
しかし、映画という媒体でやるべきこととは思えない。
金を払って、
程度の低い痴話喧嘩を延々と聞かされる身にもなってほしい。
わざとなのだろうが、登場人物は一人残らず魅力がない。
そんな人たちを延々と見せられる身にもなってほしい。

意味不明のエピソードや放りっぱなしの設定も散見され、
気持ちが白々してくるのを止められなかった。

本作もそうだが、
この頃、時系列をあっち行ったりこっち行ったりさせる映画にしょっちゅう出くわす。
作り手は、カッコいいつもりなのだろうか。
技術を見せているつもりなのだろうか。
工夫しているつもりなのだろうか。
きちんとした仕掛けがあるのならいいが、
大抵は単にわかりにくくなっているだけなので、是非ともやめていただきたい。
こねくり回さず、物語を正々堂々伝えてほしい。

木竜麻生さんと藤原季節さんが共演。
お二人の演技はよかった。
何の魅力もない人物像をしっかり演じられていた。
山崎紘菜さん、片岡礼子さん、石田ひかりさんらも出演されている。
うわ、もったいない。

それでも人生は続いていく、的なラストシーンはピリリとしていてよかった。
終わってほっとしたのもあって。

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