SSブログ

「新しい資本主義」というには小粒だけれど [経済を眺める楽しみ]

政府が「新しい資本主義」の実現に向けた実行計画案を示した。
官民連携のもと、気候変動やデジタルなど社会的課題の解決を図りながら経済成長を目指し、
「人」
「科学技術・イノベーション」
「スタートアップ」
「グリーン、デジタル」
の4分野に重点的な投資を行う、としている。

具体的な中身としては、
「人」への投資では、
転職やキャリアアップについて社外で相談できる体制の整備や、
およそ100万人を対象に非正規も含めた能力開発や再就職の支援を行う。
「科学技術・イノベーション」では、
量子技術やAI=人工知能などで国家戦略を策定するとともに、官邸に「科学技術顧問」を置く。
「スタートアップ」支援では、
スタートアップ企業が事業全体の価値を担保に資金調達できる制度の創設を進める。
「グリーン、デジタル」では、
脱炭素社会に向けて今後10年間で官民が協調して150兆円の関連投資を実現する。

さらに、「資産所得倍増プラン」を打ち出し、
個人の金融資産を貯蓄から投資にシフトさせるため、
「NISA」や「iDeCo」の拡充を図るとしている。

こうした内容を見て、
「新しい資本主義が始まる!」
と胸を高鳴らせる方はあまりおられないだろう。
むしろ、既視感に包まれるのではないだろうか
「見たことある政策ばかりだなあ」
という感じだろうか。

ただ、無理に新しさを出す必要もない。
キャッチフレーズとして「新しい資本主義」を訴えるのは、政治的な意味があることだと思うが、
新奇さを狙うばかり、かえって混乱を招いても仕方ない。
示された政策に目新しさはなく、むしろ日本の遅れを際立たせる感もあるが、
できることをしっかりやっていくというのは、あるべき方向である気もする。

新しくないけれど、なんだかほっとした。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事