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イチローのこういう終わり方は寂しい  ~ 戦力とは見られていないことがはっきり ~ [ヨモヤ]

イチローも日本でプレーすることは「ギフト」と言っていた。
常識的に考えて、半年以上のブランクがあり、
オープン戦で1割も打てない45歳の選手が戦力とみなされるはずがない。
しかし、それしても寂しかった。

マリナーズのイチローは、東京ドームで行われたアスレチックスとの日本開幕戦に「9番・右翼」で先発したが、2打席で交代し、4回守備からベンチへ退いた。
監督は、「チームが勝つために決断した」と語っていたが、それはつまりイチローが出ていると勝つ確率が下がると判断していることを意味する。
ベンチに引き上げる際には、チームメートからハグされ、相手チームからも拍手が沸いた。
2試合目も出るというが、その姿は完全に送り出すものだった。

イチローは「最低でも50歳まで現役」など、これまでいろいろ言っていたが、プロとしてのリップサービスだったのだろうか。
確かに、イチローの存在は日本での開幕戦のプロモーションとしては最高だった。
イチローがいなくては、マリナーズ対アスレチックスの開幕戦の魅力は半減どころではない。

しかし、
「日本でのプロモーション」
「思い出作り」
のために現役復帰させてもらったのだとすると、なんともイチローらしくない。
イチローにそのつもりはなくも、今回のような使われ方ではどう見てもそうなっている。
言い方はきつくなるが、「お情け」で出させてもらっているような恰好である。

ボロボロになるまでやる、というのは一つの美学である。
実際、サッカーの三浦知良さんは、そうした生き方を貫いておられる。
今回のイチローの日本でのプレーは、それとも少し違う気がする。
いろいろな意味で、すごく寂しい。

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映画料金の値上げには賛成しかねる [ヨモヤ]

勘違いしている人もおられるようだが、今や日本の物価は決して高くない。
10年も20年もデフレを続けているのだから当然のことなのだが、日本の物価が高いと思い込んでおられる方も少なくないように感じる。
しかし例えば、物価の指標として使われることの多いビッグマックで言えば、
日本は390円なのに対し、
スイスは700円超え、北欧は600円超え、
アメリカが約600円で韓国も430円となっている。
ラーメンをニューヨークやロンドンで食べると2,000円くらいするらしいが、もともとの物価が違うのであろう。
また、3月19日付の日経では、日本の賃金水準が海外に置いていかれていることが取り上げられていた。
物価が上がらず、賃金も上がっていないのが日本の実態なのである。

そんななか、TOHOシネマズが映画鑑賞料金の値上げを発表した。
理由は、
「アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇」
であるという。
これにより、現在一般1,800円のところ、1,900円になるという。

さて、他国より物価が高いわけではないことは先に見たとおりだが、映画料金はどうなのだろう。
これが、やたらに高いのである。
ドイツやイギリスなどが約1,000円、
アメリカが約800円、
映画大国のインドに至っては100円くらいだという。

物価が高いわけではなく、
賃金は他国に出遅れていて、
映画料金だけは他国より高い、
という状況での値上げ。
ちょっと理解できない。

製作費数百億円という大作も、
細々と撮った低予算映画も、
みんな同じ金額にしているというのも理解しがたい。
他の業界では考えられない商習慣である。

映画ファンとしては、より多くの人に映画が届くような環境にしていただきたい。
日本の物価水準からしても、
映画入場料の国際比較からしても、
失礼ながら日本の映画の質からしても(もちろん、いい映画もたくさんあるが)、
値上げには賛成しかねる。
もう決まったことなのだろうが、残念至極である。

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映画評 「Bの戦場」 オススメ [映画評]

予告編が面白い映画には、つい惹かれてしまう。
最近では「翔んで埼玉」の予告編が秀逸だったが、本作「Bの戦場」もなかなか。
予告編に出会わなければ観に行かなかっただろう。

一大センセーションを巻き起こしている「翔んで埼玉」は、良くも悪くも予告編の範囲内の映画で、
十分に楽しんだが、驚きはなかった。
「Bの戦場」も、予告編でかなりの部分は語られていて、その点では本作も予告編の範囲内と言えなくもない。
しかし、満足度は予想を超えていた。
とても楽しい90分間を過ごさせていただいた。

テーマは「ブス」であり、劇中、イケメン上司役の速水もこみちさんが、主演のガンバレルーヤのよしこさんのことを、さんざん「ブスブスブスブス」と言う。
もちろん、これは愛情を込めての言葉であり、悪口を言っているわけではないが、このところのなんでも自粛の風潮からはかなり新鮮に聞こえる。
私は全く嫌な感じはしなかったのだが、女性陣はどうお感じになるだろう。
監督さんは女性だが。

映画は、「こうなってくれたらうれしいなあ」という観客の望みをすべて叶えてくれる展開で進む。
その意味では見え見えのベタベタの展開といっていいのだが、それでいて十分に楽しい。
オープニングからラストまで興味はつながり、面白さは増し続けた。
そうした幸せな映画に出会うことはあまりない。
この素敵な脚本を書かれたのは、3人組お笑いユニットザ・プラン9のリーダーである久馬歩さん。
いい仕事をされた。
監督は、本作が映画監督デビューとなる並木道子さん。
テレビ出身の監督らしい演出だったが、本作ではそれが見事にはまっている。
こんな楽しい作品を作られたら、次作にも期待してしまう。

映画を引っ張るヒロイン役のガンバレルーヤのよしこさんがいい。
ブス役で、いろいろ思いはあったかもしれないが、彼女にしか演じきれない役だった。
素晴らしかった。
共演の速水もこみちさんも、らしい演技全開。
あり得ないようなイケメンぶりは健在で、彼の存在が映画の説得力を増させていた。

ちょっと気になったのはタイトル。
まあ、原作があっての映画化だから仕方がないのだろうが、映画の内容は「戦場」とは距離があった。
もっとホワンとしたタイトルの方がよかったと思う。

「Bの戦場」は、当たり。
迷っている人がいたら絶対に観た方がいい。
観ないつもりの人がいたら、そう決めつけないで迷った方がいい。
そして、迷ったら絶対に観た方がいい。
予告編で惹かれたもう一本である「翔んで埼玉」とどちらがお勧めかと聞かれたら、
私は立場上埼玉を推さなければならないのだと思うが、(以下、略)。

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好調な北陸新幹線 利用客が減り続ける北海道新幹線 ~しかし、鉄道事業は長期戦~ [ヨモヤ]

地域にとって、新幹線の延伸が「悲願」と言われることがある。
活性化の切り札になると思われるからだろうか。
しかし、新幹線が来ただけで、どこも大きな経済効果が見られるわけではない。
誘致に巨額な費用をかけた末、駅前さえも閑散としているという事例は後を絶たない。

だから、北陸新幹線の開通にも、かなり懐疑的な目が向けられていた。
初めは物珍しさで多少は乗ってもらえても、すぐに減ってしまうのではないか、と思われたからである。
あにはからんや。
これがかなりの好調を維持しているようだ。

北陸新幹線は長野―金沢の延伸開業から4周年を迎えたのだが、乗客数は好調に推移しており、
4年目は3年目を上回る見通しとなったというのである。
首都圏はもちろん、海外からの旅行者の利用が堅調なのだという。
確かに、朝の8時30分に東京を出れば、11時ごろには金沢に着ける計算で、これなら日帰りでも可能だし、1泊でもかなり見て回れる。

もちろん、金沢の「独り勝ち」と言われる状況は問題だし、
その金沢にしても、旅行客の増にうまく対応しきれていない面があるという。
そのように課題はあっても、まずは順調なのが北陸新幹線である。

一方、厳しい状況が続いているのが北海道新幹線である。
ここで開業3周年を迎えるのだが、1日当たり平均乗車人数が、
2016年 6,200人
2017年 5,000人
2018年 4,700人
と減少傾向となっている。

新幹線ができて、便利にはなったのだが、
朝の8時20分に東京を出て、函館着が午後1時、札幌着が午後4時では、
飛行機の方に魅力を感じてしまう。
北海道は、海外からの観光客にも魅力が高まっているので、そちらも取り込んでいきたいところだが、現在の所要時間ではそれもちょっと難しそうである。
もちろん、東京からだけが見込み客ではないので、東北からの誘客を図るという手はある。

新幹線が来るとなると、どうしても浮足立ってしまうが、
必ずしも成功するものではないし、
悲観しかできないものでもない。
鉄道事業は長期戦である。
一喜一憂も悪くはないが、長い目で見て利用者を増やす取り組みをする方が大切である。
北海道新幹線の巻き返しの余地は十分にある。

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イチローを信じる [ヨモヤ]

多くの日本人と同様に、私はイチローのファンである。
ずっと見てきた。
1992年のジュニアオールスターでのホームランは美しかったし、
1994年にロッテの園川さんから打った200本目のヒットも覚えている。
メジャーでのデビュー戦、
シーズン安打の世界記録、
WBCでの決勝タイムリー、
などなど、思い出は尽きない。

もうやめるべき、と思っている人は多いだろうが、本人がやりたいのならそうすればいい。
イチローなのだから、その決定権はある。
しかし、メジャーでプレーする資格があるかどうかは、本人が実力で証明するしかない。

今年のオープン戦、イチローの成績は、まさに惨憺たるものだった。
25打数2安打、打率にして0割8分。
こんな打率はちょっと見たことがないし、とてもではないがメジャーでプレーできる数字ではない。
しかし、マリナーズはイチローを日本でプレーさせることを選んだ。
「花道」ということなのだろうか。

いろいろな思いが混ざる開幕戦を控え、イチローの記者会見があった。
それを読んで、やはりなんであれ応援しようと改めて思った。

イチローは、日本でプレーすることについては、「大きなギフト」としながらも、結果が出ていないことについては、
「当たり前のように結果を出して当たり前のようにここにいる状態をつくりたかったけど、実際には大変苦しんだ。キャンプの結果を踏まえてここにいるのは本来ありえないと思う」
と答えた。
メジャーでプレーするに値しない、との批判を踏まえての発言だろう。
自分の目算が外れたことも正直に語っている。
しかし、暗いだけで終わらないのがイチローで、
「やはり日本人でいることは勝ち組なんだなと思う」
と加えた。
こういうジョークが聞けるのは嬉しい。

引退を決意するタイミングについて聞かれると、
「いつかは僕にも分からない」
と言いながら、
「毎日その日を懸命に生きてきた。厳しい世界なのでいつチームからそういう通達がくるか分からない日々を過ごしてきた。そして今日ここにいる状態ということ」
と、過ごしてきた日々についての自負ものぞかせた。

確かに、オープン戦の成績だけを見たら、とてもではないがメジャーのベンチ入りできる数字ではない。
しかし、ここに至る道のりは、そこだけでは測れない。
ずっと準備をし続け、期待に応え続けてきたからこそ今があるのだし、
それについては恥じることはないもない、ということだろう。

アスレチックスとの開幕2連戦に、イチローの出番はあるのだろうか。
そして、そこでどんなプレーをしてくれるのだろう。
最後の思い出になるとは思いたくない。
「なんだ、やっぱりすごいや」
とうならせてくれることを信じる。

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資産運用は慌てずに ~ 国の奨励にうかうかと乗らなくてもいい ~ [資産運用]

金融庁が、老後の資金不足に備えた投資を呼びかける手引書を作成する、との報道があった。
平均寿命が延び、人生100年時代と言われるなか、
日本人の金融資産が預貯金に偏っていることへの警鐘を鳴らす意味があるらしい。

私は、株式投資推進派である。
周りの人に、ことあるごとに勧めている。
個人的にも、超零細ではあるが、個人投資家の端くれである。
株式投資がもっと身近なものになればいいと願っている。

その一方、老後の資金不足対策として投資をすることについては、ちょっと微妙であるように感じる。
少なくとも、
「国が勧めているから」
「何かやらないとまずそうだから」
といった気持ちでなんとなく投資を始めるのは、止めた方がいいように思う。

株式をはじめとする投資には、元本割れの可能性が常にある。
現役時代に、余裕資金で行う投資は大いに賛成だが、
老後の生活資金を投資に割り振るのは、慎重であった方がいい。
特に、現役時代に経済にそれほど関心を持っていなかった人が、
ムードに流されて始めてしまうのは、全くお勧めできない。

増やそうと思って投資をして、もくろみどおり増えるのなら、そんな簡単な話はない。
基本、そうはならないと考えた方がいい。
株式投資推進派の私でもそう思う。
資産運用に参入するのなら、腰をすえてじっくり研究してからにするべきである。
人生が100年なら、時間はたっぷりあるはずだから。

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鳥貴族の赤字転落に見る値上げの難しさと競争の厳しさ [経済を眺める楽しみ]

焼き鳥屋チェーンの鳥貴族が、2019年7月期の業績予想を下方修正し、
純損益が3億5,600万円の赤字に転落する見通しを発表した。
赤字は2014年の上場後、初めて。

赤字の見通しが発表されたのは直近のことだが、鳥貴族の業績が悪化していることは以前から指摘されていた。
それを織り込んで株価は長期的に下落を続けており、
2018年には4,000円近かったものが、
今は1,700円近辺まで落ち込んでいる。

業績悪化のきっかけとなったとされているのが、2017年秋の値上げ。
280円均一を売りに急成長を続けていた同社が、値段を298円に引き上げた。
これが客離れを呼んだというのである。
298円でも十分安いと思うのだが、そうは感じない人も多かったようだ。

もう一つ指摘されているのが、類似店の増加。
鳥貴族の成功にあやかろうとされたのか、繁華街を歩くと、妙に「鳥」という文字が目立つ。
例えば、
「豊後高田どり酒場」「鳥二郎」「三代目鳥メロ」「やきとりセンター」
などのお店であり、これらが軒を並べることによって、鳥貴族の存在感が薄れていった面は否定できない。

このまま鳥貴族の業績が下がり続けるのかどうかはわからないが、それにしても感じるのは長く支持されることの難しさである。
鳥貴族の勢いがすごかった数年前の段階では、盤石の強さに思えたのに、その優位があっという間になくなってしまった。
特徴を持たないと認知されないが、
わかりやすい特徴は競合から模倣されやすい面もあるということか。
また、わかりやすさは飽きられやすさにもつながりかねない。
難しいものである。

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確かに物価が上がらない方がいい面もあるのだが ~ 日銀がデフレと闘ってきた経緯も理解しないと ~ [経済を眺める楽しみ]

麻生財務相は、日銀が目標としてきた「2年程度で2%」という物価上昇率の達成について、かねてから疑問を示されていたらしい。
実際、日銀は、長く大規模な金融緩和策を続けているが、19年度の物価上昇率の見通しは、今年1月時点でも1%そこそこであり、目標達成の道は険しい。
そんなこともあってか、参院財政金融委員会で麻生大臣は、2%の物価目標について
「もう少し考えを柔軟にやってもおかしくないのではないか」
と答弁されたという。

また、
「2%に行っていないからといって怒っている一般庶民がいるか、私の知っている範囲では1人もいない」
とも話されたらしい。
このあたりの言い回しは、いかにも麻生さんらしい。
確かに、生活実感からは、物価は低ければ低い方がいい。

さらに、
「2%と最初に目標に掲げたのでどうしてもそれをやらざるを得ないという形になっている」
とも指摘されたという。
これもまさにそのとおりなのだが、だからこそしっかりやれているのだという面もある。
それまでの日銀は、
「日銀の出来ることには、限界がある」
「目標なんか立てたら、できなかった場合が大変だから嫌だ」
というスタンスだった。
だからデフレは止まらず、円高も進む、という状況だったと理解している。
2%という目標を掲げたからこそ、そこに向かって力を尽くせたのだと思う。
そして、円高は止まり、株価も上昇した。
物価上昇率だけで批判するのは、少し違うと思う。

予定通りなら、10月から消費税が上がる。
これがどう出るだろう。
腰折れ気味の景気にさらなるデフレ圧力がかかるようなことにならなければいいが。

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確かに奇策だが強い覚悟を感じる ~ 大阪 知事と市長の入れ替わりダブル選挙へ ~ [ヨモヤ]

大阪府の松井一郎知事と吉村洋文市長のお二人が、
ともに任期途中で辞職した上で、
4月の統一地方選に合わせてそれぞれ市長選、知事選に入れ替わって出馬すると表明された。

目的は、大阪維新の会の目玉政策である「大阪都構想」を進めることである。
知事と市長が入れ替わったとしても大阪都構想が実現するわけではないし、
構想実現のための住民投票が行われるわけでもない。
しかし、この選挙に勝つことができれば、ある程度以上の府民の信任を獲たと言えるだろうから、はずみになることは間違いない。

この奇策中の奇策に対し、
「党利党略だ」
「選挙の私物化」
「責任放棄も甚だしい」
などと批判する声も大きい。
確かに、常識外れの一手であり、批判されても仕方がない面もある。

ただ、政治家の覚悟や本気は十分に感じられる。
与えられた4年間をそれなりにやり過ごすのではなく、目指すべき目標に向けて、それこそ身を投げ打って突き進む気概は伝わってくる。
政治家の姿として、まぶしく見える。

そんなことを言っていると、
「手にはまっている」
「甘い」
と叱られるかもしれない。
しかし、負ければすべてを失ってしまうような戦いに、
自らの政策を実現するためにあえて打って出る姿には、やはり魅かれるものがある。
政治家はこうあってほしい、という思いも持ってしまう。
ロマンチックすぎるかもしれないが、
政治にはロマンも必要だと思う。
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映画評 「九月の恋と出会うまで」 [映画評]

この映画は、高橋一生さんと川口春奈さんの共演によるラブストーリー。
原作は、「書店員が選んだもう一度読みたい文庫」の恋愛部門でトップに輝いた松尾由美さんの小説である。

ここ数年、猛烈な勢いで作られ続けているタイムスリップ恋愛映画。
一体いつまで作られるのか、
今さら作ってどういうつもりなのか、
などいろいろ思うが、作られるということは、観る人がいるということなのだろう。(私もその一人にカウントされてしまうのかもしれないが)

なんというか、やはり無理がある。
当たり前である。
無理な話なのだから。
無理を無理でないようにしようとするから、無理が重なる。
無理が重なると、興味が薄くなっていく。
だって、どんなに無理をしたって、みんなオチは知っているのだから。

それでも、前半は意外と楽しめた。
展開は無茶苦茶なのだが、川口春奈さんのお姿と、高橋一生さんの演技を見ていれば、それなりに時間は過ぎていく。
役割がほとんど与えられない登場人物がいたり、
セリフが頓珍漢だったり、
作り方は雑で、
感情移入まではできないものの、それはまあ。

しかし、クライマックスに近づくにしたがって、かえってダルくなってくる。
ほとんどの映画は、前半はダルいが、そこを乗り切ればなんとか観られるものだが、この映画はラストシーンに近づくにつれて加速度的に力が抜けてくる。

「九月の恋と出会うまで」は、山ほど作られているタイムスリップもの。
新機軸もないではないが、どうにもしんどい。
いっそ強引にねじ伏せてくれた方が気持ちがよかった。
高橋一生さんと川口春奈さんは、アップで出ずっぱりだから、お二人のファンの方はどうぞ。
それ以外の人がこの映画を観るモチベーションを、私はうまく提示できない。

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