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好調な北陸新幹線 利用客が減り続ける北海道新幹線 ~しかし、鉄道事業は長期戦~ [ヨモヤ]

地域にとって、新幹線の延伸が「悲願」と言われることがある。
活性化の切り札になると思われるからだろうか。
しかし、新幹線が来ただけで、どこも大きな経済効果が見られるわけではない。
誘致に巨額な費用をかけた末、駅前さえも閑散としているという事例は後を絶たない。

だから、北陸新幹線の開通にも、かなり懐疑的な目が向けられていた。
初めは物珍しさで多少は乗ってもらえても、すぐに減ってしまうのではないか、と思われたからである。
あにはからんや。
これがかなりの好調を維持しているようだ。

北陸新幹線は長野―金沢の延伸開業から4周年を迎えたのだが、乗客数は好調に推移しており、
4年目は3年目を上回る見通しとなったというのである。
首都圏はもちろん、海外からの旅行者の利用が堅調なのだという。
確かに、朝の8時30分に東京を出れば、11時ごろには金沢に着ける計算で、これなら日帰りでも可能だし、1泊でもかなり見て回れる。

もちろん、金沢の「独り勝ち」と言われる状況は問題だし、
その金沢にしても、旅行客の増にうまく対応しきれていない面があるという。
そのように課題はあっても、まずは順調なのが北陸新幹線である。

一方、厳しい状況が続いているのが北海道新幹線である。
ここで開業3周年を迎えるのだが、1日当たり平均乗車人数が、
2016年 6,200人
2017年 5,000人
2018年 4,700人
と減少傾向となっている。

新幹線ができて、便利にはなったのだが、
朝の8時20分に東京を出て、函館着が午後1時、札幌着が午後4時では、
飛行機の方に魅力を感じてしまう。
北海道は、海外からの観光客にも魅力が高まっているので、そちらも取り込んでいきたいところだが、現在の所要時間ではそれもちょっと難しそうである。
もちろん、東京からだけが見込み客ではないので、東北からの誘客を図るという手はある。

新幹線が来るとなると、どうしても浮足立ってしまうが、
必ずしも成功するものではないし、
悲観しかできないものでもない。
鉄道事業は長期戦である。
一喜一憂も悪くはないが、長い目で見て利用者を増やす取り組みをする方が大切である。
北海道新幹線の巻き返しの余地は十分にある。

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