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映画評 「Bの戦場」 オススメ [映画評]

予告編が面白い映画には、つい惹かれてしまう。
最近では「翔んで埼玉」の予告編が秀逸だったが、本作「Bの戦場」もなかなか。
予告編に出会わなければ観に行かなかっただろう。

一大センセーションを巻き起こしている「翔んで埼玉」は、良くも悪くも予告編の範囲内の映画で、
十分に楽しんだが、驚きはなかった。
「Bの戦場」も、予告編でかなりの部分は語られていて、その点では本作も予告編の範囲内と言えなくもない。
しかし、満足度は予想を超えていた。
とても楽しい90分間を過ごさせていただいた。

テーマは「ブス」であり、劇中、イケメン上司役の速水もこみちさんが、主演のガンバレルーヤのよしこさんのことを、さんざん「ブスブスブスブス」と言う。
もちろん、これは愛情を込めての言葉であり、悪口を言っているわけではないが、このところのなんでも自粛の風潮からはかなり新鮮に聞こえる。
私は全く嫌な感じはしなかったのだが、女性陣はどうお感じになるだろう。
監督さんは女性だが。

映画は、「こうなってくれたらうれしいなあ」という観客の望みをすべて叶えてくれる展開で進む。
その意味では見え見えのベタベタの展開といっていいのだが、それでいて十分に楽しい。
オープニングからラストまで興味はつながり、面白さは増し続けた。
そうした幸せな映画に出会うことはあまりない。
この素敵な脚本を書かれたのは、3人組お笑いユニットザ・プラン9のリーダーである久馬歩さん。
いい仕事をされた。
監督は、本作が映画監督デビューとなる並木道子さん。
テレビ出身の監督らしい演出だったが、本作ではそれが見事にはまっている。
こんな楽しい作品を作られたら、次作にも期待してしまう。

映画を引っ張るヒロイン役のガンバレルーヤのよしこさんがいい。
ブス役で、いろいろ思いはあったかもしれないが、彼女にしか演じきれない役だった。
素晴らしかった。
共演の速水もこみちさんも、らしい演技全開。
あり得ないようなイケメンぶりは健在で、彼の存在が映画の説得力を増させていた。

ちょっと気になったのはタイトル。
まあ、原作があっての映画化だから仕方がないのだろうが、映画の内容は「戦場」とは距離があった。
もっとホワンとしたタイトルの方がよかったと思う。

「Bの戦場」は、当たり。
迷っている人がいたら絶対に観た方がいい。
観ないつもりの人がいたら、そう決めつけないで迷った方がいい。
そして、迷ったら絶対に観た方がいい。
予告編で惹かれたもう一本である「翔んで埼玉」とどちらがお勧めかと聞かれたら、
私は立場上埼玉を推さなければならないのだと思うが、(以下、略)。

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