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イチローを信じる [ヨモヤ]

多くの日本人と同様に、私はイチローのファンである。
ずっと見てきた。
1992年のジュニアオールスターでのホームランは美しかったし、
1994年にロッテの園川さんから打った200本目のヒットも覚えている。
メジャーでのデビュー戦、
シーズン安打の世界記録、
WBCでの決勝タイムリー、
などなど、思い出は尽きない。

もうやめるべき、と思っている人は多いだろうが、本人がやりたいのならそうすればいい。
イチローなのだから、その決定権はある。
しかし、メジャーでプレーする資格があるかどうかは、本人が実力で証明するしかない。

今年のオープン戦、イチローの成績は、まさに惨憺たるものだった。
25打数2安打、打率にして0割8分。
こんな打率はちょっと見たことがないし、とてもではないがメジャーでプレーできる数字ではない。
しかし、マリナーズはイチローを日本でプレーさせることを選んだ。
「花道」ということなのだろうか。

いろいろな思いが混ざる開幕戦を控え、イチローの記者会見があった。
それを読んで、やはりなんであれ応援しようと改めて思った。

イチローは、日本でプレーすることについては、「大きなギフト」としながらも、結果が出ていないことについては、
「当たり前のように結果を出して当たり前のようにここにいる状態をつくりたかったけど、実際には大変苦しんだ。キャンプの結果を踏まえてここにいるのは本来ありえないと思う」
と答えた。
メジャーでプレーするに値しない、との批判を踏まえての発言だろう。
自分の目算が外れたことも正直に語っている。
しかし、暗いだけで終わらないのがイチローで、
「やはり日本人でいることは勝ち組なんだなと思う」
と加えた。
こういうジョークが聞けるのは嬉しい。

引退を決意するタイミングについて聞かれると、
「いつかは僕にも分からない」
と言いながら、
「毎日その日を懸命に生きてきた。厳しい世界なのでいつチームからそういう通達がくるか分からない日々を過ごしてきた。そして今日ここにいる状態ということ」
と、過ごしてきた日々についての自負ものぞかせた。

確かに、オープン戦の成績だけを見たら、とてもではないがメジャーのベンチ入りできる数字ではない。
しかし、ここに至る道のりは、そこだけでは測れない。
ずっと準備をし続け、期待に応え続けてきたからこそ今があるのだし、
それについては恥じることはないもない、ということだろう。

アスレチックスとの開幕2連戦に、イチローの出番はあるのだろうか。
そして、そこでどんなプレーをしてくれるのだろう。
最後の思い出になるとは思いたくない。
「なんだ、やっぱりすごいや」
とうならせてくれることを信じる。

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