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映画料金の値上げには賛成しかねる [ヨモヤ]

勘違いしている人もおられるようだが、今や日本の物価は決して高くない。
10年も20年もデフレを続けているのだから当然のことなのだが、日本の物価が高いと思い込んでおられる方も少なくないように感じる。
しかし例えば、物価の指標として使われることの多いビッグマックで言えば、
日本は390円なのに対し、
スイスは700円超え、北欧は600円超え、
アメリカが約600円で韓国も430円となっている。
ラーメンをニューヨークやロンドンで食べると2,000円くらいするらしいが、もともとの物価が違うのであろう。
また、3月19日付の日経では、日本の賃金水準が海外に置いていかれていることが取り上げられていた。
物価が上がらず、賃金も上がっていないのが日本の実態なのである。

そんななか、TOHOシネマズが映画鑑賞料金の値上げを発表した。
理由は、
「アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇」
であるという。
これにより、現在一般1,800円のところ、1,900円になるという。

さて、他国より物価が高いわけではないことは先に見たとおりだが、映画料金はどうなのだろう。
これが、やたらに高いのである。
ドイツやイギリスなどが約1,000円、
アメリカが約800円、
映画大国のインドに至っては100円くらいだという。

物価が高いわけではなく、
賃金は他国に出遅れていて、
映画料金だけは他国より高い、
という状況での値上げ。
ちょっと理解できない。

製作費数百億円という大作も、
細々と撮った低予算映画も、
みんな同じ金額にしているというのも理解しがたい。
他の業界では考えられない商習慣である。

映画ファンとしては、より多くの人に映画が届くような環境にしていただきたい。
日本の物価水準からしても、
映画入場料の国際比較からしても、
失礼ながら日本の映画の質からしても(もちろん、いい映画もたくさんあるが)、
値上げには賛成しかねる。
もう決まったことなのだろうが、残念至極である。

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