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映画評 「九月の恋と出会うまで」 [映画評]

この映画は、高橋一生さんと川口春奈さんの共演によるラブストーリー。
原作は、「書店員が選んだもう一度読みたい文庫」の恋愛部門でトップに輝いた松尾由美さんの小説である。

ここ数年、猛烈な勢いで作られ続けているタイムスリップ恋愛映画。
一体いつまで作られるのか、
今さら作ってどういうつもりなのか、
などいろいろ思うが、作られるということは、観る人がいるということなのだろう。(私もその一人にカウントされてしまうのかもしれないが)

なんというか、やはり無理がある。
当たり前である。
無理な話なのだから。
無理を無理でないようにしようとするから、無理が重なる。
無理が重なると、興味が薄くなっていく。
だって、どんなに無理をしたって、みんなオチは知っているのだから。

それでも、前半は意外と楽しめた。
展開は無茶苦茶なのだが、川口春奈さんのお姿と、高橋一生さんの演技を見ていれば、それなりに時間は過ぎていく。
役割がほとんど与えられない登場人物がいたり、
セリフが頓珍漢だったり、
作り方は雑で、
感情移入まではできないものの、それはまあ。

しかし、クライマックスに近づくにしたがって、かえってダルくなってくる。
ほとんどの映画は、前半はダルいが、そこを乗り切ればなんとか観られるものだが、この映画はラストシーンに近づくにつれて加速度的に力が抜けてくる。

「九月の恋と出会うまで」は、山ほど作られているタイムスリップもの。
新機軸もないではないが、どうにもしんどい。
いっそ強引にねじ伏せてくれた方が気持ちがよかった。
高橋一生さんと川口春奈さんは、アップで出ずっぱりだから、お二人のファンの方はどうぞ。
それ以外の人がこの映画を観るモチベーションを、私はうまく提示できない。

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