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減量の恩恵を喜ばない菜七子ちゃんが頼もしい [ヨモヤ]

先日行われた、中央競馬今年最初のGⅠフェブラリーステークスは、過去最高と言えるほどの盛り上がりを見せた。
その主役は、勝ち馬のインティではなく、その手綱を取ったレジェンド武豊騎手でもなく、
5着のコパノキッキングに騎乗した藤田菜七子騎手であった。

藤田騎手は、勝ち星を積み重ねることによってGⅠの舞台にたどり着いた。
話題性が先行している感はあるが、30を超える勝ちを重ねたからこそ獲た資格である。
実際、力をつけていると、多くの調教師が認めているそうだ。
フェブラリーステークスでは、多くのファンが、自分の馬券を離れて藤田騎手を見つめたことだろう。

その藤田騎手の活躍が影響したのかどうかわからないが、この3月から、女性騎手には新減量制度が導入されることになった。
これは、平地競走に限り2キログラムの減量を実施するというものである。
同様の措置が取られたフランスでは、制度導入後、女性の活躍が一気に増したという。

それもそのはずで、1キロ=1馬身とされているから、2キロの減量となると2馬身のハンデをもらっているようなものである。
これはかなり女性に有利になる。

しかし、藤田騎手は、これをあまり喜んではいないようだ。
減量について聞かれて
「ありがたいことですが、今まで“(男性に)負けたくない”という気持ちでやってきたので、何とも言えない気持ち。自分は、性別は関係ないと思って(ジョッキー界に)入っている。少し複雑ですが、自分は与えられたルールでやるだけです」
と語ったという。

その意気やよし、である。
もともと男に負けるつもりはない、というのだから。
実際には、騎手は腕力をはじめとしてかなりの筋力を使うから、男の方が有利なのは確かだと思うが、藤田騎手はそれを言い訳にしたくないのだろう。

GⅠ初騎乗の次は、重賞制覇に期待が高まる。
重賞には減量の恩恵はないが、騎乗機会が増えればそれだけ腕が上がることが期待できるから、勝つチャンスも増えるだろう。
女性騎手のパイオニアになる覚悟を持つ藤田騎手に、今後も注目である。

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