SSブログ

確かに物価が上がらない方がいい面もあるのだが ~ 日銀がデフレと闘ってきた経緯も理解しないと ~ [経済を眺める楽しみ]

麻生財務相は、日銀が目標としてきた「2年程度で2%」という物価上昇率の達成について、かねてから疑問を示されていたらしい。
実際、日銀は、長く大規模な金融緩和策を続けているが、19年度の物価上昇率の見通しは、今年1月時点でも1%そこそこであり、目標達成の道は険しい。
そんなこともあってか、参院財政金融委員会で麻生大臣は、2%の物価目標について
「もう少し考えを柔軟にやってもおかしくないのではないか」
と答弁されたという。

また、
「2%に行っていないからといって怒っている一般庶民がいるか、私の知っている範囲では1人もいない」
とも話されたらしい。
このあたりの言い回しは、いかにも麻生さんらしい。
確かに、生活実感からは、物価は低ければ低い方がいい。

さらに、
「2%と最初に目標に掲げたのでどうしてもそれをやらざるを得ないという形になっている」
とも指摘されたという。
これもまさにそのとおりなのだが、だからこそしっかりやれているのだという面もある。
それまでの日銀は、
「日銀の出来ることには、限界がある」
「目標なんか立てたら、できなかった場合が大変だから嫌だ」
というスタンスだった。
だからデフレは止まらず、円高も進む、という状況だったと理解している。
2%という目標を掲げたからこそ、そこに向かって力を尽くせたのだと思う。
そして、円高は止まり、株価も上昇した。
物価上昇率だけで批判するのは、少し違うと思う。

予定通りなら、10月から消費税が上がる。
これがどう出るだろう。
腰折れ気味の景気にさらなるデフレ圧力がかかるようなことにならなければいいが。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事