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映画評 「まく子」 [映画評]

本作の監督は、鶴岡慧子さん。
最高だった「Bの戦場」の並木道子さんに続く女性監督作品。
映画界もまだまだ男性上位だが、こうして女性監督の作品も増えていくといい。
いろいろな視点や感性の作品を観たいから。

原作は、西加奈子さんの小説。
自分の成長に戸惑っている温泉街に暮らす小学5年生のサトシの学校に、
コズエという変わった女の子が転校してくる。
コズエは、突拍子もない自身の秘密をサトシに打ち明け・・・
という展開。
まあ、これだけ読んでもなんのことかさっぱりわからないと思うが、本当に突拍子もない秘密なのだ。
それはともかく、子どもの成長を描いた映画である。

よかったかと言えば、残念ながらそれほどではなく、「Bの戦場」を観終わったときのような快感はなかった。
どこがどうというより、全体がどうにもしっくり来ない感じ。
飽きずに2時間観られたので、どうにもならない作品ではないものの。

登場人物が内面も含めてしゃべり過ぎるのが残念だった。
せっかく映像作品なのに。
子どもたちの関係性の描き方も、食い散らかしたままになってしまった。

草なぎ剛さんの出演が話題だが、出番は少なめ。
主要キャストで、印象的な役者さんはいなかった。
子役も含めて。

「まく子」は、なんとも歯がゆい映画。
いい作品に化ける可能性もあったように思うが、出来上がったものは、どこにも振れていない感じ。
どうせなら、もっとトンデモにしてしまった方がよかったか、
若しくは、もっとヒリヒリした感じにすればよかったのか。
惜しいというか、なんというか。
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