SSブログ

鳥貴族の赤字転落に見る値上げの難しさと競争の厳しさ [経済を眺める楽しみ]

焼き鳥屋チェーンの鳥貴族が、2019年7月期の業績予想を下方修正し、
純損益が3億5,600万円の赤字に転落する見通しを発表した。
赤字は2014年の上場後、初めて。

赤字の見通しが発表されたのは直近のことだが、鳥貴族の業績が悪化していることは以前から指摘されていた。
それを織り込んで株価は長期的に下落を続けており、
2018年には4,000円近かったものが、
今は1,700円近辺まで落ち込んでいる。

業績悪化のきっかけとなったとされているのが、2017年秋の値上げ。
280円均一を売りに急成長を続けていた同社が、値段を298円に引き上げた。
これが客離れを呼んだというのである。
298円でも十分安いと思うのだが、そうは感じない人も多かったようだ。

もう一つ指摘されているのが、類似店の増加。
鳥貴族の成功にあやかろうとされたのか、繁華街を歩くと、妙に「鳥」という文字が目立つ。
例えば、
「豊後高田どり酒場」「鳥二郎」「三代目鳥メロ」「やきとりセンター」
などのお店であり、これらが軒を並べることによって、鳥貴族の存在感が薄れていった面は否定できない。

このまま鳥貴族の業績が下がり続けるのかどうかはわからないが、それにしても感じるのは長く支持されることの難しさである。
鳥貴族の勢いがすごかった数年前の段階では、盤石の強さに思えたのに、その優位があっという間になくなってしまった。
特徴を持たないと認知されないが、
わかりやすい特徴は競合から模倣されやすい面もあるということか。
また、わかりやすさは飽きられやすさにもつながりかねない。
難しいものである。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事