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実に微妙な個人の景況感 [経済を眺める楽しみ]

企業ではなく個人に、
「今の景気についてどう思いますか」
と聞けば、大抵の人は「あまりよくない」と答えるだろう。
しかし、それは今に始まったことではなく、もう数十年変わらないことのように感じる。
実際の景気がそこそこよかろうと、またかなり悪かろうと、個人の実感はいつも、
「あまりよくない」
ではないだろうか。

日本銀行が発表した昨年12月の生活意識アンケートによると、
1年前と比べた個人の景況感を示す指数は前回調査から3.8ポイント低下し、
低下は6四半期連続となったらしい。
さらに、指数は平成26年12月以来の低水準であるという。

一方、昨年10月の消費税増税により支出を「控えた」「やや控えた」と答えた割合は32.9%で、
前回増税後の調査(59.8%)に比べて大きく低下したという。
つまり、前回と比べると増税の影響は小さいということだろうか。

日銀は
「個人の景況感は悪化しているが支出は増えており、消費税増税が景況感にどれほどの影響を与えているかを分析するのは難しい」
としている。
分析することが仕事のはずの日銀が、
「難しい」と言ってしまっていいのか首を傾げるが、
それくらい微妙ということだろうか。

消費増税の影響についても、
ある調査では大きく出たり、
別の調査では小さく出たりしている。
評価が定まるのは、少し先のことになるのだろうか。

個人の景況感が目に見えてよくなることがあるとしたら、
職を失う恐れがほぼなく、
給料が上がり続ける見込みが出てきたときくらいかもしれない。
そんなときがそうそう来るとは思えないから、ずっと低空飛行のままかもしれない。

景気は気である。
とすれば、オリンピックで日本選手が大活躍すれば、
気も上がるかもしれない。
惨敗となれば逆もありうるけれど。

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映画評 「殺さない彼と死なない彼女」 ~ 確認しました。2019年の大収穫 ~ [映画評]

一度観て、「いい映画だなあ」と思っても、
なんとなく心配になることがある。
ひょっとしたら思い過ごし?
ひょっとしたら勘違い?
などと、自分を疑ってしまう。

大ヒットして、多くの人が絶賛している映画ならそんなこともないのだが、
知る人ぞ知る、
的な映画になると不安が募る。

「殺さない彼と死なない彼女」 は、観終わった瞬間に、
「やられた」
と思った。
そしてこの映画を観たことを
「やった」
と思った。

しかし、その後、大ヒット上映中、という話は聞かない。
私の思い過ごしか、勘違いなのか。
気になって、もう一度観に行った。
結果、間違っていなかった。
2019年の収穫と呼ぶにふさわしい傑作だった。

公開からかなりの時間が経ったのに、私の行った劇場はまずまずの入り。
口コミが広がっているのならうれしい。
もっともっと広がってほしい。

本作についての映画評は、すでに2回書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2019-11-21
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2019-11-23
詳細はそちらをお読みいただければと思うが、
1回目に観たときより、2回目の今回の方が、より楽しめた。
いい映画って、そういうものだと思う。

終盤、いわゆる「泣ける」シーンがあり、実際劇場でもすすり泣きがあちこちから聞こえたが、
私にズキュンと来たのは、ある女の子が、
「好き!」
を連発するシーン。
いろいろなシチュエーションで、「好き」と一言言うだけなのだが、なぜか私の涙腺を直撃した。

コメディ要素も多いのだが、なぜかしんみりし、
泣けるのに、なぜか希望にあふれる。
豊かな気持ちになれる映画である。

とにかく、多くの方に観てもらいたい。
笑って、泣いて、
「未来の話」をしてもらいたい。
2019年、この映画を見逃した方、まだ間に合いますよ。

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映画評 「尾崎豊を探して」 [映画評]

この映画、ネットでは散々に酷評されている。
いろいろ言われる作品はあるが、ここまでの酷評は珍しいというくらいに。

私は、尾崎豊と同年代であり、同じ時代を生きた。
正直、それほどファンというわけではなかったが、ずっと気になる存在ではあった。
本作も、2,500円という値段設定にちょっと引いたが、見届けたいと思った。
ネットの評価は当てにならないものでもあるから。

結果、ネットの評価にうなずかされた。
確かに、酷い。

尾崎さんのパフォーマンスは圧巻で、それを観られるのは嬉しいが、
なぜか映像はブツ切れにされ、失礼ながら不要としか思えないような映像がはさみ込まれる。
その映像が、なんともはまっていない。
端的に言うと、カッコ悪い。
顔をアップにしたインタビュー映像が折々にずっと流れるのだが、意図が全く分からない。
細切れで、尾崎さんの言葉が少しも届いてこない。
しまいにはインタビューアーの緊張感の全くないちゃちゃまでが入り、興醒めも甚だしい。
わざと尾崎さんを貶めようとしているのかと勘繰ってしまうほどである。

タイトルは「尾崎豊を探して」であり、
「-The Truth of OZAKI YUTAKA-」との副題もついているのだが、
全然尾崎さんの実像を探さないし、真実にも迫らない。
いや、これは怒る人がいるのも納得である。
というか、怒らない人の寛大さに、心から脱帽する。

2年前に公開された「HURRY GO ROUND」という映画は、
尾崎さんと同じように若くして亡くなった元X JAPANのHIDEさんの実像に迫るものだった。
この作品もいろいろ言われたが、本作と比べるといい作品だった。
少なくともHIDEさんの死の真相に迫ろうとしていたし、
いろいろな人へのインタビューや未発表音源など、ファンが喜べる内容もあった。
本作にはそれもない。
一体何をしたかったのだろう。

世の中には、つまらない映画、とんでもない映画、何の足しにもならない映画があふれていて、
ここでそうした系列に一本加わってもなんということはないかもしれない。
しかし、本作はすでに亡くなった人を描いている。
この映画に関わった人が酷評されるのは自業自得だが、
亡くなったアーチストまで低く見られるとしたら、こんな不幸なことはない。

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大発会が下げた年の相場はどうなる [経済を眺める楽しみ]

新年2日目の日経平均株価は大幅な反転上昇となったが、
大発会当日は451円の大幅安であった。

プロ野球の開幕戦と同じで、
大発会とは言っても、単に一日の相場であるに過ぎないのだが、
その日の相場動向によって一年の方向性を占いたくなるのも人情であろう。

そこで、2000年から2019年までの、
過去20年の大発会の結果と、一年を通してのパフォーマンスを比較してみた。
ざっくりまとめると次のようになる。
●過去20回の大発会で上昇は14回、下落は6回。
●過去20年で年間プラスは12回
●大発会がプラスになった14回のうち、年間がプラスとなったのは8回
●大発会がマイナスとなった6回のうち、年間がプラスとなったのは4回

まず、大発会は株価が上がりやすいことがわかる。
勝率7割である。
ご祝儀相場、などと言われるが、正月初日くらいは、投資家と言えど、多少財布のひもが緩むのだろうか。
大発会が上がって年間もプラスになったのが、14分の8で約57%、
反対に大発会が下がって年間はプラスになったのが、6分の4で約67%。
データ量としては少ないが、大発会が下がった方が年間プラスになる率が高いという結果になった。
大発会で上がった方が気分はいいが、過去の結果を見ると、年間のパフォーマンスにはあまり影響していないようだ。

アメリカ大統領選挙の年は、その前年と比べてあまりパフォーマンスがよくない、
というデータもあるらしい。
いろいろなアノマリー※を参考にしながら投資をするのも楽しいものである。
上がるも八卦、下がるも八卦、
常識が通用する、平穏な相場であることを祈りたい。

※アノマリーとは、SMBC日興証券のホームページによれば、
現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性のこと、
とされている。

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今年も朝は「ニュースモーニングサテライト」(略してモーサテ)に決まり [経済を眺める楽しみ]

情報が欲しい朝の忙しい時間、皆さんは何チャンネルをご覧だろう。
やはりNHKのニュースだろうか、
日本テレビの「ZIP!」だろうか、
テレビ朝日の「グッド!モーニング」だろうか、
TBSの「あさチャン!」だろうか、
フジテレビの「めざましテレビ」だろうか。

私は、断然テレビ東京の「NEWS モーニングサテライト」である。
もう20年来変わらない。
浮気をしようという気になったことは一度もない。
番組開始以来、ずっといい番組であり続けてきたからである。

令和2年の第1回放送は、モーサテが誇る株のスペシャリストが今年の株式相場を展望した。
メンバーは、
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏、
マネックス証券の広木隆氏、
大和証券の石黒英之氏、
JPモルガン証券の阪上亮太氏、
SBI証券の北野一氏、
UBSウェルス・マネジメントの青木大樹氏、
BNPパリバ証券の中空麻奈氏の7名です。
言っても知らない人には「誰、それ?」かもしれないが、一騎当千のツワモノ揃いである。
そこらの番組の、なんの責任も取らない、知ったかぶりのコメンテーターとはわけが違う。

皆さん、しっかり数字を出して予想される。
そして、予想の根拠をしっかり話される。
つまり、自分の責任でリスクを取られる。
さらに、後日予想が外れたときは、その懺悔の弁も述べられる。
逃げも隠れもされない。

モーサテはニュース番組ではあるが、太い幹は経済。
アメリカの株式市場の情報を中心に、世界の経済に関する情報を毎日届けてくださる。
そして、日々の株価予想もされる。
質の高い情報が盛りだくさんで、あっという間に時間が流れる。

ずっと見ている私に言わせると、この番組を見ない意味がわからない。
見ないと損なのになぜ見ないのだろう、などと思ってしまう。

今日の朝もモーサテを見よう。
もちろん、明日も明後日も。
モーサテスタッフの皆さん、今年もよろしくお願いいたします。

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映画評 「FOR REAL-戻らない瞬間、残されるもの。-」 [映画評]

今作は、映画と呼べるのかどうか。
横浜DeNAベイスターズの2019年シーズンに密着したスポーツドキュメンタリーであるが、
正直なところ、映画館で一般の人が観る作品ではないように感じた。

私は、ベイスターズファンではない。
好きか嫌いかと聞かれても、別にどちらでもない。
閑古鳥が鳴いていた状況から、一転ハマスタを連日満員にしていて、
球団経営は素晴らしいなあと思うが、
チームそのものはパ・リーグファンの私の視界にはあまり入ってこない。
では、何故わざわざ観に行ったのか。
一つには、ほかに観たい映画がなかったからであり、
もう一つは、ネットの映画評が良かったからである。
ネットの映画評は、当たり前だが観た人が書いていて、
好きで観に行った人の評はどうしても甘くなる。
そんなことは百も二百も承知なのだが、たまに当たりがある。
だから行ってみるのだが、多くは空振りに終わる。
しかし、振らなければ当たることはない。
野球と同じである。

野球ファンにとって、興味深いシーンはいくつもある。
そして私は野球ファンである。
ベンチ奥やブルペンなど、グランドの裏側にカメラが入っていて、
選手たちの生の声を聴くことができる。
さらに球場の外でもカメラは回っていて、
開幕投手を告げるシーンなど、「へえ」と思った。
そんなこんなで、最初から最後まで、飽きることなく観させていただいた。
だから、つまらないとか、駄作だとか思ったわけでない。
ただ、映画を観るつもりで行くと、映画ではないというだけである。
ファンの方が、DVDでご覧になるべき作品であろう。

それにしても、こうした作品が作られることも含めてベイスターズはすごい。
新しい球団経営のあり方を次々に提示している感じである。
本作の主演といっていい存在の筒香の穴は大きく、2020年シーズンは苦戦も予想されるが、
ハマスタはいつも大歓声で選手を支えるだろう。

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ここんとこで読んだ30冊 [読書記録]

ここんとこで読んだ30冊は以下のとおり。

「キミのお金はどこに消えるのか」 井上 純一
「話すチカラをつくる本」 山田 ズーニー
「裸でも生きる」 山口 絵里子
「ルポ断絶の日韓」 牧野 愛博
「懐かしドラマが教えてくれるシナリオの書き方」 浅田 直亮、仲村 みなみ
「偶キャリ。」 所 由紀
「名古屋発どえりゃあ革命」 河村 たかし
「できる大人はこう考える」 高瀬 淳一
「売上を減らそう」 中村 朱美
「なぜ、彼らは『お役所仕事』を変えられたのか?」 加藤 年紀
「アドラー心理学入門」 岸見 一郎
「今日からシナリオを書くという生き方」 小林 幸恵
「両利きの経営」 オライリー、タッシュマン
「インド人とのつきあい方」 渚 好延
「ゼロからの脚本術」 泊 貴洋
「ヤンキー経済」 原田 曜平
「財政学と公共経済学 はじめの一歩」 仲林 真子
「自分思考」 山口 絵里子
「夏の祈り」 須賀 しのぶ
「2030年超高齢未来破綻を防ぐ10のプラン」
「早実 VS 駒大苫小牧」 中村 計、木村 修一
「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか」 佐々木 融
「ゲイ恋リアル」 桃井 アロム
「まるわかり!キャッシュレス決済」
「本物の接客」 菊地 麻衣子
「ドラゴン桜 東大合格をつかむ言葉161」 三田 紀房
「年収100万円の豊かな節約生活術」 山崎 寿人
「君たちはどう生きるか」 吉野 源三郎
「境界を生きる」 毎日新聞社
「相手を思い通りに動かす超整理術」 菊原 智明
「すぐやる技術」 久米 信行

「売上を減らそう」を書かれた中村朱美さんは、京都にある「佰食屋」という定食屋さんの店主。無理な働き方をしないことを目指し、1日100食限定のお店、つまり売り上げを狙わない経営をされている。どこでもできるやり方ではないと思うが、ひとつの方向性を提示されている。

「年収100万円の豊かな節約生活術」を書かれた山崎寿人さんは、当時20年間無職だったらしい。とは言いながら、年収100万円はあるので、まったく無収入というわけではない。世捨て人として暮らされているわけではなく、楽しく過ごされているようなのが何より。

大ベストセラーになった「君たちはどう生きるか」を今ごろ読んだ。なんとも懐かしい感じ。

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今年も当たるか?「経営者が占う2020年 株価・景気」 [経済を眺める楽しみ]

毎年楽しみにしている元日の日本経済新聞恒例の特集、
「経営者が占う20××年 株価・景気」。
その年の株価や経済成長率の見込みについて、日本を代表する経営者が予想するというものである。
そう当たるものではないので、参加するのを嫌がられる経営者もおられるのではないかと推察するが、
今年も
信越化学工業の金川会長、
富士フィルムHDの古森会長、
ユニ・チャームの高原社長、
サントリーHDの新浪社長、
をはじめ、錚々たる面々が占っておられる。

ただし、この豪華メンバーの予想が当たるかというとそうではない。
去年のブログで過去を振り返ってみたのだが
日経平均株価予想についての経営者の予想の平均は、
2016年は、高値22,300円 安値18,000円だったが、
実際には、高値19,600円、安値14,800円、
2017年の予想は、高値21,750円、安値17,500円だったが、
実際には、高値23,400円、安値18,200円、
2018年の予想は、高値25,440円、安値21,200円だったが、
実際には、高値24,448円、安値18,948円だった。
しかも「経営者が選ぶ有望銘柄」に選定された企業が、軒並み株価を下げたりもする。

では、2019年はどうだったか。
2019年の予想の平均は、高値23,925円、安値19,110円で、
実際には高値24,091円、安値19,241円だった。
結果、高値安値とも100円ちょっとしか違わないという超ニアピンだった。
おみそれしました。

では、今年はどうだろう。
2年連続のニアピンなるだろうか。
予想は、
高値の平均が25,450円、
安値の平均が21,625円、であった。
昨年末の終値が23,656円だから、上にも下にもあまり動かないと見ていることになる。
なお、高値を付ける時期は、6月との声が多かった。
つまりオリンピック前に一つの山が形成されると読んでいるのだろう。
2020年は、年度の後半にアメリカ大統領選挙というもう一つのビッグイベントを控えていることもあり、
年末に高値が来ると予想される方も、逆に安値になると予想される方もおられた。

有望銘柄の上位は、ソニー、トヨタ、信越化学といった常連組。
新顔としては、NEC、テルモ、SHIFT、メンバーズといった名前が挙げられていた。
こちらもちょっとだけ参考にしておこう。

新年早々アメリカ株は上がったり下がったり大忙しのようだ。
日本株は、そんなに上がらないでもいいので、下がらないでいてほしい。
ずっと24,000円近辺でいられれば、居心地がいいのではないかと思う。

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映画評 「男はつらいよ お帰り 寅さん」 [映画評]

この映画を正面から批評するべきなのだろうか。
それとも、独立した世に問う作品ではなく、ある種のおまけのようにとらえるべきなのだろうか。
そんなことを思わせている時点で、いい映画であるわけはないが。

私の感想としては、
総集編、特典映像、
のようにとらえるなら、こういう映画もありかな、と思う。
しかし、まともな一本として、「男はつらいよ」のシリーズとして観るなら、
「そりゃ、ないよ」
という作品だと思う。
いろいろな技術を使って寅さんが帰ってくるのか、
若しくは寅さんが帰ってこなくても作品としての「男はつらいよ」は帰ってくるのか、
などと、今から思えば途方もない高望みをしていた反動もあり、
失望感は募った。
はじめから、「男はつらいよ」ファンへのほんのちょっとしたサービス、くらいに思っていればよかった。
それでも、がっかりはしただろうが。

登場人物に人間的な魅力がないのが致命的である。
今作は、車さんのおいの満男とその初恋の人イズミちゃんのお話が中心だが、
二人とも美しくない。(容姿ではなく、人物として)
しかも、満男を演じる吉岡秀隆さんとイズミちゃんを演じる後藤久美子さんのお二人の演技が、
どうにもしっくりこない。
OKが出ているので、監督さん的にはこれでいいのだろうが、
私は最後まで違和感しか覚えなかった。

寅さんというと、周りも個性派揃いで、丁々発止やり合うのが魅力の一つなのだが、
今作ではみなすっかり疲れている。
唯一美保純さん演じるお隣さんだけがピーヒャー言うのだが、すぐに排除されて終わり。
映画を通して、「もうだめだ」という空気が伝わってくるのが切なかった。
これでは「男はつらいよ」というより、
「見せられるこちらがつらいよ」
という感じである。
なんだか、本当につらくなった。

いいところを挙げるとすると、過去の映画の名シーンが見られること。
マドンナとして登場された女優さんはみな美しいし、
ほんのワンショットでもなんだか心が動く。
メロンを取り合うシーンでは笑わされた。

「男はつらいよ お帰り 寅さん」は、なんとも寂しい映画。
映画は夢を売るものだと思うが、
この映画は撮る人演じる人が皆老いてしまった現実を見せつける。
それも意図的にではなく、結果的に。
作るべきだったのだろうか。

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恥も外聞も 敬意も感謝も思いやりも なにもないゴーン被告の逃走 [ヨモヤ]

誰にだって、恥も外聞もないふるまいをせざるを得ないと覚悟するときがある。
切羽詰まったら、周りを構っていられないこともあるだろう。
しかし、そこで思いとどまらせるものがあるとしたら、
それは自分を育ててくれた地域や組織への敬意であったり、
自分を支えてくれている人たちへの感謝であったり、
自分を信じてくれている人たちへの思いやりであったりするのだろう。

変装して出所し、世界に恥をさらしたゴーン被告が、
今度は保釈条件を破って出国した。
まさに恥も外聞もないふるまいである。
なにやら言い分もあるのかもしれないが、いろいろな人の思いを踏みにじっての行為に、
どうして共感ができるだろう。

ゴーン被告の保釈に関しては、
検察側は逃亡の恐れがあると反対していたが、
被告自身が裁判で身の潔白を証明したいとの意志を示し、
東京地裁が保釈を決定した経緯がある。
いろいろな人が被告の保釈に動いただろうに、その人たちの気持ちを完全にないがしろにした。
赤っ恥をかかされた格好の弁護士の方々の無念はいかばかりだろう。

日産関係者の
「長く日産のリーダーを務め、世界的に活躍した経営者がこういう人だったのか。
あきれ返って言葉も出ない」
という言葉が新聞に掲載されていたが、多くの人もそう思ったことだろう。

今回の逃亡については、出国に対する警備体制の不備が問われるだろうし、
保釈した判断に対する責任論も出るだろう。
もちろん、反省すべき点は反省するとして、
まずは、恥知らずな行為を責めるべきであろう。
あきれた人である。

ゴーン被告を信じてきた人は、今どんなことを感じているのだろう。
ゴーン被告とともに戦おうと思っていた人は、今どんなことを感じているのだろう。
結局、自分さえよければいい人のようだ。
大義を信じた人は、
この人のやり方で人生を変えられた人は、
今何を思っているだろう。

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