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大谷という分業制の時代に現れた奇跡 [ヨモヤ]

プロ野球は分業制の時代である。
競技のレベルが上がるにつれ、
なんでもできる、
ということは困難になり、何かに特化することが求められるようになった。

投手は、かつては先発・完投が主流だったが、
先発・抑えに変化し、
今は先発・セットアッパー・クローザーという役割分担がなされている。
しかも、勝ちパターンのセットアッパーは最低二人以上いるのが普通で、
7回に投げる人、8回に投げる人、9回に投げる人、
がそれぞれ決まっている。

打者も役割分担を徹底している。
長打を打つ選手は徹底的に長打を狙い、
足のある選手は塁に出ることを目指す。

役割を決め込まず、なんでもすればいいじゃないか、
と思うかもしれないが、それは難しい。
投手なら、
長いイニングを投げる投手と短いイニングを投げる投手では、
球種も投球術も調整法も違う。
打者なら、
長打を狙うためには体を大きくしなければならないが、
足を使うためにはそれは得策ではない。

当然、投手と打者では鍛える場所も違ってくるし、
使う筋肉も違う。

先発投手としてローテーションを守りながら、
打者として長打を打ち、
盗塁をする。
あり得ない。

大谷の姿を見て、
自分も投げて打って活躍したいと思う選手は増えるだろう。
それはいいことだと思うが、
大谷クラスの選手が次々に現れるかというと、そんなことはないだろう。
あり得ないことをやっているからである。

二刀流が成立するためには、どちらの分野でも一流でなければならない。
一流に届かないのでは、どちらかに専念してもらった方がチームとしても得策である。
二刀流に挑戦しても、あまり報いられない。
打つだけの選手の倍もらえるわけではない。
だから、
大谷クラスの選手が次々に現れるかというと、そんなことはないだろう。
困難が大き過ぎるからである。

アメリカの野球ファンは、不世出の野球選手である大谷の姿を目に焼き付けようとしている。
私たちは、大谷を高校生の頃から知っている。
エヘン。

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