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映画評 「Arc アーク」 [映画評]

いろいろな映画があるなか、本作を迷わず選んだ。
それは石川慶監督の作品だったからである。
前作「蜜蜂と遠雷」では、ほぼ全編がピアノコンクールの会場という設定にもかかわらず、
登場人物の奥行きを見事に表現していた。
本作は、不老不死という、
正直なところ、やや手あかのついた題材であるが、
石川監督であれば上手に見せてくれるものと信じた。

しかし、その確信は、割と序盤で大きく揺らぐ。
のっけに舞踏シーンがあるのだが、
世界観もスケール感もなんもかもがわやわやで、早くも暗雲が深く垂れ込める。
その後の急展開も、「は?」という感じ。
面白くなっていく予感が実に希薄で、睡魔の激しい攻勢との戦いに専念することになった。

後半の展開は、実にありきたり。
前半のトンデモ感はどこへやら、急にヒューマン系に。
しかし、これがはまらない。
トンデモ映画で押し通した方がまだよかったのではないかと思わせる。
脚本も石川監督であり、この映画が作りたかったのだろうが、
残念ながら成功にはほど遠い感じになってしまった。

いいところを懸命に探すと、
子役の女の子の自然な演技がよかった。
くらいかしら。
主演の芳根京子さんも頑張っておられたが、強い印象はない。

「Arc アーク」は、やってしまった感じの作品
このブログを書くに当たって映画の筋を振り返ろうと思ったのだが、
条件反射的に睡魔が蘇ってきてしまい、思い出すのに難渋した。

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