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吉田麻也選手の言葉が嬉しかった [ヨモヤ]

プロ野球や大相撲などのプロスポーツは観客を入れて行っている。
去年中止された甲子園も行われるし、地区大会にもお客さんを入れている。
各地でコンサートも開かれているし、
映画館も開いている。
それでいいと思うし、そうあるべきだと思う。

オリンピックが無観客となり、個人的には残念に思ったが、
開催自体に否定的な意見が多い状況であり、
無事にオリンピックが行われることを祈ることに専念し、
この判断がいいとか悪いとかは考えないようにしようと努めている。

サッカーの吉田麻也選手が、オリンピックを有観客にしてほしいとの願いをコメントした。
勇気のある発言だと思う。
本来、自分の意見を表明することに勇気が求められること自体おかしなことだが、
現状、思ったことを言うのは難しい。
しかし、私たちのような第三者的な存在ではなく、
実際にプレーする選手の口から思いを聴きたいと思っていた。

報道された内容をなるべくそのまま伝えると、吉田選手の気持ちは以下のような感じである。

「JOCの山下会長もオンラインの壮行会でおっしゃっていましたけど、自分が小さい時に見たオリンピックでものすごく感動したと。僕らが子供たちにできることは、ただ家の中に閉じ込めて友達と会わずに事が過ぎるのを待つだけじゃないと思うし、もっともっとできることがあると思う」

「僕も娘がいるし、僕の娘はたぶん僕のプレーを覚えてないと思うけど。そういう子供たちに絶対にいろんなものを与えられると思います。時差がなくてオンタイムで試合を見られるのは、僕が2002年W杯(日韓大会)の時にそうだったように、やっぱりものすごい感動と衝撃を受けるし。そのためにこそオリンピックを招致したんじゃないかなと個人的には思ってるので。」

「ソーシャルワーカーのみなさんが毎日、命をかけて戦ってくれているのは重々理解しているし、オリンピックができるだけで感謝をしないといけない立場にあるのは理解しています。でも忘れないでほしいのは選手たちもサッカーに限らず命をかけて、人生をかけて戦っているからこそ、この場に立てている。もっと言うとマイナー競技でこの五輪にかけている人はもっといると思う。そのためにも、なんとかもう1度真剣に(有観客開催を)検討していただきたいと思う。「

「家族もそうだと思う。じいちゃん、ばあちゃんだって、自分の孫がオリンピックに出る姿をリスクを背負っても見たいという人はいるだろうし。家族も、いろんなものを犠牲にして、我慢して、ヨーロッパで戦っている僕らをサポートしてくれている。家族も戦っている一員。その人たちが見られない大会で、誰のための、何のための大会なんだろうってクエスチョンがあります。」

そして最後に、こう付け加えている。

「真剣にもう1度、検討していただきたいと心から願ってますし、みなさん(報道陣)が発信してくれることを願います。」

物言えば唇寒しの状況が続いたので、選手たちが口を開かないのも十分に理解できる。
それでも、何か言葉が聞きたかった。
だから、吉田選手が口を開いてくれて、嬉しかった。
選手の当たり前の気持ちを正面から言ってくれて、嬉しかった。
これで状況が変わるとは思わないけれど、
吉田選手に託された報道の方々が動いてくれるとも思わないけれど、
嬉しかった。

吉田選手、ありがとう。

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