SSブログ

企業業績は回復傾向も世界経済の先行きが心配 [ヨモヤ]

東証1部上場企業の業績が回復している。
上場企業の利益は前年同期の5倍以上に膨らみ、
15%の企業が通期の業績見通しを上方修正したのだという。
最終利益が前年同期比で増益だった企業は、全体の約7割。
コロナ禍の前年と比べれば増益でも当然と思うかもしれないが、
2019年同期と比べても増額となっている企業が多いのだという。

ただし、回復状況はまだら模様。
「K字型」と言われるように、
製造業は好調だが、
運輸・旅行などは苦しい状況が続いている。

製造業の好調は、
中国、アメリカといった国の景気回復による。
ワクチン接種が進み、リベンジ消費と呼ばれるような旺盛な消費が経済を支えていて、
日本からの輸出も増えている。
一方、旅行、飲食といった内需型の産業は、
感染者が急増しているなかでは回復が見込みにくくなる。

それでも、ワクチン接種は日々進んでいるから、
日本人の一定割合が免疫を獲得するのは、そう遠い先ではない。
その後は、今の米中英国のような景気回復局面が待っているのだろうか。

そうならいいのだが、不安な要素もある。
アメリカや中国の経済の雲行きがやや怪しくなってきているのである。
アメリカの例で言えば、ミシガン大学が発表した8月の消費者信頼感指数は70.2となり、
この数字は2011年以来、約10年ぶりの低水準なのだという。
この落ち込みは、
デルタ株による最近の感染拡大が想定以上に経済の足を引っ張るのではないか、
という不安を示しているようだ。

現在のアメリカが将来の日本を映しているのだとすれば、
ワクチン接種が進んでも、それだけでは感染が抑えられないということになる。
さらに、日本のワクチン接種が一通り終わったころに、
アメリカをはじめとするワクチン先進国の景気拡大局面が終わってしまっているという可能性もある。

今できるのは、
ワクチン接種を進めること、
感染者数をできる限り抑えることだが、
それだけでは、いつまで経っても終わりが見えてこない可能性が出て来た。
できることを進めながら、
別の道を探す必要が出てきている。
そうでないと、いつまで経っても夜が明けないことになりかねない。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事