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映画評 「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」 [映画評]

赤坂アカさん作のコミックの実写映画化第二弾。
ファイナルと銘打っているくらいだから完結編なのだろう。
全く期待していなかった前作が思いのほか面白かったので、今作も鑑賞。
そんな風にうっすらとでも期待してしまったら、がっかりするに決まっている。
その鉄則をうっかり忘れていた。
はじめから最後まで、残念な気持ちで観続けることになってしまった。
コメディなのに笑えないし、
恋愛ものなのに1㎜もキュンとしないのだからどうにもならない。
もちろん、この映画で笑ったりキュンとされたりするおおらかな方もおられるのだろうけれど。

主演コンビは、前作に引き続き平野紫耀さんと橋本環奈さん。
お二人は相変わらずの演技ぶりだと思うが、
続編だからやむを得ないことながら、鮮度が落ちてしまった。
年齢も重ねられたしね。

序盤からのグダグダした展開に、監督が変わったのかなと思ったが、
メガホンは前作に続いて河合勇人さん。
ではやはり、ほんの少しでも期待したこちらが悪かったのか。

本作の面白さの源は、
建前であっても「天才たちの恋愛頭脳戦」というところにあるはず。
頭がよくて、プライドが高くて、
自分が誰かに好きになられることはあっても好きになるわけがない、
もし好きになっても、絶対自分からは言い出せなくて、
だったらなんとか相手に言わせよう、
という微笑ましいこじらせ。
本作では、最初から相手のことが好きなことを認めてしまっているから、
そもそものトキメキがどこにもない。

まあ、そんなに真面目に考えずに、
平野くんと環奈ちゃんのイチャイチャをおだやかに観ればいいだけなのだろうけれど、
少なくないお金と労力を使って映画を作り、
客からは2時間という時間と大人なら1,900円のお金をいただくのだから、
ひとひねりふたひねりくらいはあるだろう、
などと甘いことを考えたこちらが悪かった。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」は、終始ドタバタした作品。
微笑ましいドタバタという感じでもなく、
コメディだが、笑える要素は非常に少なく、
恋愛ものだが、ときめき要素も非常に少ない。
はあ。
出演者のファンが観に行く映画としてはこんなものかもしれないけれど、
そういう類の映画でも楽しめる映画は少なくない。
なんだかもったいない。

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