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映画評 「虹色デイズ」 [映画評]

5月に「孤狼の血」を観て以来、
「万引き家族」「モリのいる場所」「カメラを止めるな!」
と、当たりの映画が続いた。(もちろん、「のみとり侍」のように困ったちゃんもいたが)
そのため、「映画って、どれだってまあまあ面白いものだ」と思い始めていた。
この「虹色デイズ」を観て、その認識が甘いものであることを思い出した。
そうそう、多くの日本映画はつまらないんだった。
酷い映画が次々と作られているんだった。

もちろん、そんなに高い期待をして観に行ったわけではない。
肩の凝らない青春群像を元気にみせてもらえればそれで満足だった。
しかし、どれだけ目線を下げても、本作のズッコケ振りには追い付かなかった。
最初の10分くらいで、
「え、ちょっと、これはまずくないか」
と思うのだが、その不安は見事過ぎるくらいに的中した。

漫画原作にも、「ちはやふる」をはじめとして当たりの作品はいくつもあるが、本作は絵に描いたような失敗作。
4人の男子高校生の日常が描かれるのだが、一人として魅力的な存在がいない。
恋に落ちる相手の女の子の魅力もちっとも伝わらない。
もちろん、人気若手俳優陣なので、見た目はいいのだが、ここまでひどい脚本ではルックスがよくてもどうにもならない。
監督も、よくこんなひどい脚本で撮る気になったな、と思ったら、監督が脚本も兼ねていた。
おやまあ。

こういう映画に出会うたびに、心配になることがある。
「生まれて初めて観た映画がこれだったらどうしよう」ということである。
「なんだ、映画ってつまんないもんなんだな」
と思って、足が遠のくのではないだろうか。

監督はもちろんのこと、スタッフの皆さんは、今一度この作品を、自分のお金を使って劇場でご覧いただきたい。
どうお感じになるだろう。
恥ずかしくない仕事ができた、と胸が張れるだろうか。

映画評といいながら、「虹色デイズ」がどんな内容の映画なのか、ほとんど書かなかった。
失礼ながら、振り返るような中身はなかったからである。
久し振りに、頭に血が上る酷さであった。
おかげで、次に観る映画がかなりの駄作でも、きっとまあまあの作品に思える。
その意味では感謝しておこう。
ありがとうございました。

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