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人手不足に備えるのは国家的課題 [経済を眺める楽しみ]

少し前までは、
「人口が減ると、消費が減り、仕事も減り、職がなくなる」
と考えていた人が多かったのではないだろうか。
現実に起きていることは、
「人口が減り、働き手がいなくなり、企業が人集めに苦心している」
という実態である。
つまり、職はあるが、働く人が足りない。
もちろん、地域によって濃淡はあり、職種によっても違うだろう。
しかし、想定されていた世界とはかなり様相が違うのは確かだと思う。

帝国データバンクが、2013年から実施している「人手不足倒産」に関する調査の分析結果を発表した。
それによると、2018年上半期の人手不足倒産は 3 年連続で前年同期を上回り、半期ベースでは過去最多を更新したという。
過去最多と言っても、歴史が浅い調査だからそれほどの意味はないかもしれないが、人手不足の深刻さが増しているのは事実だろう。

倒産件数が特に多かったのは「建設業」と「サービス業」の2業種だったという。
仕事のタフさが敬遠されているのだろうか。
職種別では、「道路貨物運送」も多かったらしい。
ドライバーの確保が会社存続の最重要課題になってきている。

働き方改革で労働時間が短くなれば、なおさら人手不足が加速することが予想される。
さらに多くの企業が、なんらか手を打たなければ立ち行かなくなる。
国としても、方策を考えねばならない。
ITのさらなる活用なのか、
移民なのか。
女性の活用や定年の延長という選択肢もあるが、ハードな肉体労働に必要な人材を確保するという課題はそれでは解決できない。

日本人が減るという現象に歯止めをかけることができない以上、国として正面から向き合っていかざるを得ない。
なんとかなる、ではなんともならない時代が、もう来ている。

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