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人を誘って観たくなる本当に稀有な映画  ~ 「カメラを止めるな!」二回目の鑑賞は7人編成のツアー ~ [映画評]

映画を楽しく観る最大のコツは、
「期待しないこと」
である。
映画ファンが言うべきことではないかも知れないが、大抵の映画はつまらない。
大抵の映画は、作り手のプライドを疑わせる。

そして、映画は観る人によって評価が分かれる。
「最高によかった」
と感じる人がいる映画について、
「ひどい駄作」
と思う人もいる。

だから、面白いと思った映画について、人を誘って観に行こうという気には、通常ならない。
だって、面白い面白いとハードルを上げて観てもらったら、失望されたときの落差が激しいから。
だって、私が面白いと思っても、みんなが面白いと思うとは限らないから。

それが、「カメラを止めるな!」については違った。
人を誘って、みんなで観たくなった。
多くの人に知ってもらいたいと思った。
私の信じる人たちに、笑って、感じてもらいたいと思った。
だから、ツアーを組んで映画館に潜入した。
こんなことを思わせる映画は初めてだ。
これからも、二度とないかもしれない。

新宿のK's cinemaでは、平日も併せ、45回連続満員だという。
信じられない快挙である。
私たちが行った池袋のロサも満員だった。
チケットは3時間以上前に手に入れた。
はじめてのお客さんも、リピーターのお客さんも、揺れるほど笑い(映画の途中で大きめの地震があったそうだ。私は全く気付かなかったが)、ぐっと熱くなった。
これはもう、社会現象一歩手前である。
まだまだはじけるだろう。

二回目の私は、一緒に行った人たちの反応は気になりながらも、何がどうなるかわからないということはないから余裕はある。
序盤から、見逃さぬよう、聞き逃さぬよう、画面に集中集中。
ああなるとわかっていて見ると、最初から笑える。
後半は、館内もバカ受け状態だったので、遠慮なく声を出して笑った。

評判が評判を呼んでいるが、コメディのくくりの映画であり、ややこしく考えずに楽しめばいい。
それでいい。
私は、ものを作る苦しみ、誇り、喜びを改めて感じたが、そこらへんは人それぞれだろう。
別に、感動しなければいい映画ではないということはない。
もっと拡がって、もっと感染者が増えてくれればいい、と強く願う。
そして、それはもう、私などが願わなくても、きっと叶うことだろう。

熱く、あたたかい、幸せな夜だった。
「カメラを止めるな!」は、ロサに似合った。

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