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公務員=面従腹背 とだけは思わないでいただきたい  ~ 「面従腹背」を公言する元官僚トップとその出身省庁で起きた不祥事で思う ~ [ヨモヤ]

人間の内面は誰にも縛れない。
だから、誰が何を思おうと勝手であり、自由である。
しかし、それぞれの地位や職に「ふさわしい信念」というのはあるはずだ。
例えば、国会議員の皆さんは、党利党略のためではなく、憲法のためではなく、「我が国のため」「国民のため」を考えてほしい。

事務次官と言えば、官僚のトップである。
官僚のトップと言えば、日本の公務員のトップとも言える存在である。
天下り問題で引責辞任された前川喜平さんは、元文部科学省の事務次官である。
前川さんは、「面従腹背」が座右の銘であると公言されている。
そして、それをタイトルにした本まで出版された。

人がどんな信念を持とうが、それは自由だが、一定の地位にあった方が、それを口にされるとなると影響は小さくない。
「面従腹背」とは、
表面では服従するように見せかけて、内心では反抗すること
とされる。
元事務次官がそれを高らかに謳われると、
「公務員ってそんなものなんだ」
「文部科学省って、そういうとこなんだ」
と思う人も出てくるだろう。
「いや、人はそれぞれ違うから」
と言ってみたところで、トップがそうなら、その組織や集団もそういうものだと見られても仕方がない。

その文部科学省が、前代未聞の不祥事で揺れている。
自分の子供を大学に合格させてもらう見返りに、文部科学省の支援事業の対象校とするよう取りはからったとして、科学技術・学術政策局長が逮捕されたのである。
金銭の見返りではなく、自分の子供の入学の便宜をはからせるとは、文部科学省としては最悪の不祥事であろう。
なにもかもをそこに結び付けてはいけないとわかりつつ、「面従腹背」を公言するような方がトップに立つ組織なら、そんなこともあるのだろうと思ってしまう。

私は前川さんと違い、官僚でもなければ、トップでもない。
だから、そんな人間が言っても説得力はないだろうが、多くの公務員は、面従腹背をよしとはしていないと信じる。
たとえ上司の命令でも、
たとえ直属の政治家の命令でも、
間違っていると思えばそれを指摘し、正しいと思う方向に方針が改まるように努めているはずだ。
最終的に決裁権者が決定権を持ち、自らが思う方向に変わらなかったとしても、それは面従腹背ではない。
組織だから、思うようにいかないことはあるが、しっかり主張することは主張する。
最初からあきらめておいて、裏で舌を出すような真似はしないはずだ。

公務員=面従腹背、と思われるのは心外だし、そんなことはないと信じる。
文部科学省ではどうなのか知らないけれど。

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