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ここ数年の相場環境で損失を抱えていては困りもの ~投信選びは慎重に~ [経済を眺める楽しみ]

7月4日付の日本経済新聞に、
「投信で損失、個人の半数 金融庁調査」
との見出しの記事が掲載された。
なんでも、金融庁が投信を販売する銀行に実施した調査において、投資信託を保有する個人投資家の半数近くが損失を抱えているということが判明したのだそうだ。

投信も投資の一種だから、いくらプロに運用を任せていると言っても、百発百中で運用益が出るとは限らない。
ほとんどの人が儲かっていないだろう競馬などの公営ギャンブルをやっている人からすれば、
「半数が損失、ということは残り半数はトントンかプラス。そんなうまい話があるのか」
と驚くかもしれない。
しかし、ここ数年は非常に相場環境が良かった時期である。
なにしろ、2012年には10,000円を割っていた日経平均が、今や20,000円を超えているのだから。
黙って日経平均と連動するファンドを買っていれば資金が倍になっていた勘定であり、この期間でマイナスを計上するのはアツい。

記事の中では、金融庁幹部が
「金融機関のトップは手数料収入の多寡は気にしても、顧客がもうけられているかは見向きもしてこなかった」
と批判している、とされていた。
そんなことがあるのだろうか、と思う反面、商品として投信を売っている立場の金融機関としては、儲けなければ話にならないということもあるかもしれない。
本来なら、投信成績を上げることで、結果として顧客が増える形でありたいところだが、利益が上がるかどうかはなんとも見通せないから、確実な手数料で稼ごうという方向に気が向かっていたのだろうか。

私は、運用を人に任せるのがどうにもしっくり来ないのでこれまで投信を買ったことはないが、長期保有を前提とするなら有力な選択肢の一つであると思う。
金融機関に顧客本位の姿勢に生まれ変わってもらいたいところではあるが、それを待っているだけというのも、他人任せ過ぎる。
ここは、買う側がしっかり選ぶしかない。
そして、しっかり選ぶためには、それなりの理論武装が必要である。
人に任せるからこそ、悔いのないように。

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