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映画評 「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」 [映画評]

ポケモン映画も、数えて第21弾。
妖怪ウォッチの急降下ぶりを見るにつけ、長く人気を保つことの難しさに思いをはせる。
しばらく、作品の質も動員も右肩下がりであったが、原点に還ったかのような昨年の「キミにきめた!」で息を吹き返した。
本作も、その流れを汲む。
低迷期は、
入手困難なポケモンを劇場でダウンロードさせるという販促を行い、
本編ではそのポケモンと有名ポケモンによる派手なバトルを展開する、という映画が続いた。
わかりやすい戦略ではあるが、映画である以上、本編がつまらなくてはどうにもならない。
「みんなの物語」は、「キミにきめた!」の成功を踏まえ、映画そのものにきちんと力を入れたことがよく伝わる内容になっていた。

そもそもポケモンは、人間とポケモンが相棒となって活躍する、いわゆる「バディもの」といっていい。
本作でも、サトシとピカチュウはもちろん、いろいろな組み合わせのバディが、それぞれの物語を繰り広げる。
ポケモンと一緒なら世界が広がる、
一緒ならひとりではできなったことができるようになる、
と訴えるのだが、映画のストーリーもしっかりそれを補完するような内容になっていた。
といっても、「ものすごく感動した」というレベルまでは行っていないのだが、大人の鑑賞に十分耐えられる。
一方で、とにかくワーワーやってもらいたい子供たちにとっては、ちょっと物足りないかも知れない。

今作から、監督が交代された。
長く続いているシリーズだけに、一つの賭けではあったと思うが、まずは成功したと言っていいと思う。
次なる20年に向けて、ポケモン映画は、まずはしっかりとした一歩を踏み出した。

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