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長生きはリスクではなく現実  ~ 女性の2人に1人は90歳まで生きる時代 ~ [ヨモヤ]

「リスク」というと、「危険」「危機」と解釈されることが多いように思うが、実際にはそうした意味とは少し違う。
ちなみにWikipediaでは、OXFORD現代英英辞典による以下の定義を紹介している。
すなわち、
"the probability of something bad happening at some time in the future”
(将来のいずれかの時において何か悪い事象が起こる可能性)
というものである。
つまり、「リスク」とは、「危険」「危機」ではなく、そうしたことが起きる可能性のことである。

近年、「長生きするリスクが高まっている」という表現をよく聞く。
これは、長生きするということをある種の「悪いこと」に見立て、その可能性が以前より上昇していることを指している。
長生きすることはおめでたいことであり、人類の進歩の大きな部分もそこに向けられてきたのだが、現代社会で生きていくためには、お金が必要となる。
その準備ができていないままに長生きをしてしまうと、それが「悪いこと」になってしまうという警鐘である。

さて、厚生労働省によれば、2017年の日本人の平均寿命は、
女性が87.26歳、男性が81.09歳で、
ともに過去最高を更新したとのことである。
過去最高の更新は、男性が6年連続、女性が5年連続。
国・地域別では、女性は世界2位、男性は3位というから、世界に冠たる長寿大国である。

さらに、90歳まで生きると予測される割合は女性が50.2%となったという。
つまり、計算上は女性の2人に1人は90歳まで生き続けるということになる。
50%を超えてくると、もう「リスク」、つまり「可能性」などと言っている段階ではない。
そういうものだ、と受け入れるべきことである。

長生きはめでたい。
元気で楽しく暮らせれば、なお一層めでたい。
しかし、アリとキリギリスではないが、なんの備えもせずに老後を迎え、それで幸せな日々が送れるとは思いにくい。
誰しもが、ということはもちろん自分も、長生きする時代であることをしっかり噛みしめ、できる準備をコツコツしていくしかない。
何にもしないでおいて「なんとかなる」で、なんとかなることは、多分なさそうだ。

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