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台湾発の人気書店が日本の書店業界に風穴を開けるか [ヨモヤ]

日本では、長く出版不況が続いている。
少子化、
活字離れ、
スマホとの競合、
と悪環境が続いているからだ。
さらに、
アマゾンをはじめとするネット書店の急成長、
コンビニでの書籍の扱いの増、
という逆風まで吹き、書店は青息吐息である。

事態が好転する見込みはなく、このままでは書店は減る一方である。
そんな折、三井不動産が、東京・日本橋室町に来秋開く商業施設「コレド室町テラス」の核テナントに、台湾の人気書店「誠品生活」が入ると発表した。
日本初出店で、施設の目玉となる。

今時、書店が目玉なんて、と思ってしまいそうだが、「誠品生活」は一味違う書店のようだ。
三井不動産の石神裕之常務執行役員は
「誠品は、上質で文化の香りのする店づくり、情報発信をしている。(再開発を進めている)日本橋に必要な機能だ」
と話されたという。
なんでも、工房やキッチンスタジオを設けて、音楽などのイベントを開催されるのだそうだ。

どんな巨大な店舗を構えようと、品揃えではネットには勝てない。
わざわざ足を運んでもらおうと思えば、本ではなく、書店自体を目的にしてもらう必要がある。
そういう時代であり、それができない書店は淘汰されていくしかない。

誠品生活のマーシー・ウー董事長は
「オフィスで働く人がターゲットではなく、子どもがおばあさんと来てもらえる店にする」
と語られたという。
面白い目のつけどころだと思う。

誠品生活が成功するのかどうか、日本に受け入れられるのかどうか、それはやってみないとわからない。
ただ、以前と変わらぬ書店を展開していては、廃れるばかりだということはわかる。
昔を懐かしんでいるだけでは、消えていくだけだということはわかる。

国内の書店は、新商業施設の核テナントを台湾の書店に奪われた悔しさを噛みしめ、
是非新たな提案をしてもらいたい。
切磋琢磨して、楽しませてほしい。
リアル店舗が栄える道は、まだあると思う。

誠品書店のHPはこちら
http://www.eslitecorp.com/operating.aspx?a=tw&l=jp&s=221

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