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日経平均が年初来安値  ~ 実感はそれどころではない ~ [経済を眺める楽しみ]

株が下がっている。
12月20日の東京株式市場は、世界的に景気減速懸念が高まる中で下げ幅を拡大。
終値ベースで前日比595円34銭安の2万0392円58銭となり、3月23日に付けた今年の最安値を下回った。

イメージとしては、9月以降ずっと下げている感じだから、今頃年初来安値と言われてもピンと来ない。
そうか、日経平均はあまり下げていなかったのか。

日経平均は、選ばれた大企業225銘柄の平均なので、株式市場全体の動きを表してはいない(全体像をつかむのはTOPIXの方が適している)。
さらに、225銘柄中でも、絶対値の高い銘柄、いわゆる値がさ株の影響を大きく受ける。
特に、ユニクロを展開しているファーストリテイリングだけで値動きの8%を占めると言われる。
今年のファーストリテイリングは45,000円くらいからスタートして、現在約60,000円。
つまり3割以上上げている。
ここに引っ張られて日経平均はそれほど下がっていないが、個々に見るとかなり厳しいのが実態だろう。
個人投資家も、多くの人がやられている状況ではないだろうか。

株が下がっているのは日本だけのことではない。
アメリカも年初来安値、
イギリスもドイツも、
中国も韓国も下げている。
いいときは、何が起きても好材料としてとらえられるが、今はすべて悪材料にされてしまう空気である。

ここまで下げると、もう日経平均の20,000円台も風前の灯である。
円高が進むようなら、あっさり割り込む場面もありそうだ。
それはもう観念している。

こんな下げ相場のときこそ、隠れた好業績銘柄を物色するいい機会であると考えよう。
本来ならもっと高い株価が付くはずが、全体の地合いに押されて下がっている銘柄がきっとあるはずだ。
投資は長期戦。
傷ついてしまった自らのポートフォリオを嘆きたくなるのはやまやまだが、くよくよしても始まらない。
来年やり返せばいい。

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「守備シフト」は野球をつまらなくしているか? [ヨモヤ]

メジャーリーグで、
「守備シフトをルールで禁止するべきか?」
という議論があるらしい。
なんでも、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナー自身、就任以前から「守備シフトは禁止されるべきだ」と繰り返し主張されているのだそうだ。

守備シフト自体は、前からあった。
王さんの全盛期には、日本でも「王シフト」というのがあり、グランドの右側に野手が集結していた。
ただ、王さん以外の打者ではそれほど極端なシフトは行われてきていないから、日本のプロ野球だけを見ていると、その議論があまりピンと来ない。

近年、メジャーでは守備シフトが急速に広がっている。
かつては、一部の強打者だけに対して採用されていたが、現在のデータ重視の流れに乗って、ほとんどの打者に対して採用されている。
もちろん、大谷に対しても。
シフトを敷くと反対側はがら空きになる。
だったらそちらを狙えばよさそうなものだが、なかなかそれができない。
だから、確率的にはシフトを敷いた方が絶対に有利ということになる。

守備シフトへの反対意見はいろいろある。
例えば、打者がしっかり打ち返し、例えば痛烈にピッチャーの足元を抜けた打球であっても、シフトによってアウトになるのは興醒めとの声がある。
また、狭い範囲に野手が固まることによって、ダイナミックなファインプレーが生まれなくなるのはつまらないとの意見もある。

さらに打者は、転がしても仕方がないと考えるようになり、フライを上げようと努める。
いわゆるフライボール革命だが、
結果、シングルヒットが減り、三振かホームランかという大味な野球になっているとも言われる。

データとしても、
平均打率は下がり、
裏腹にホームランは増えている、
という結果が出ているらしい。

ただ、いかにコミッショナーと言えど、守備シフトを禁じるのはさすがに難しいだろう。
投手の分業制や、
2番打者最強説など、
戦術がどんどん変わってきたのが野球の歴史でもあり、それを止めるのが得策とも思えない。

来年も、大谷に対してはかなり極端なシフトが敷かれるだろう。
大谷には、気にせず遠慮なく野手の頭を越してもらおう。
どんなシフトを敷かれても、自分のバッティングをすればいい。
ぶんぶん振ればいい。
シフトとの対決も一つの見どころである。

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映画評 「来る」 [映画評]

本作は、第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智さんの小説「ぼぎわんが、来る」を、
中島哲也監督が映画化したもの。
中島作品と言えば、
カラフルでぶっ飛んでいる、
というイメージがあるが、良くも悪くもそのとおりだった。

ホラー映画というジャンルなのだろうし、音やら映像やらで怖がらせる仕掛けもふんだんにある。
しかし、特別怖くない。
むしろ、コミカルな空気さえある。
そういう監督さんであり、個性が出ていると言えなくもない。
ホラーとして成功しているかどうかはさておき。

ラストに向かって盛り上がっていくが、
怖さ湧き上がるというより、
監督さん、どこまでやっちゃったんだろう、という感じ。
そういう気持ちになってしまうのが。映画として成功しているかどうかはさておき。

出演陣が豪華である。
主演は岡田准一さんとなっているが、
妻夫木聡さん、黒木華さん、松たか子さんというビッグネームの面々も主演級の働きをされる。
こうしたメンバー以上に目を引いたのが小松菜奈さんの怪演。
小松さんは、
「黒崎くんの言いなりになんてならない」や「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
といったキラキラ系のアイドル映画に加え、
「渇き。」「ディストラクション・ベイビーズ」「沈黙 -サイレンス-」
など、話題作・問題作にも挑戦されている。
今年公開された「恋は雨上がりのように」でも好演されていた。
まだ22歳。今後に期待が高まる。

映画「来る」は、来るか来るかと待っているうちに終わってしまう映画。
「あれ?来なかった」
と思う人も少なくないのでは?
怖がらせるのならしっかり怖がらせてほしいし、
うならせるならちゃんとうならせてほしい。
どうしても期待してしまう監督さんなだけに。
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せっかくの10連休もあまり喜ばれていない [ヨモヤ]

「休み」と聞くと反射的に「うれしい!」と感じるものかと思いきや、どうやらそうでもないらしい。
朝日新聞社が実施した世論調査によれば、来春の大型連休(GW)が10連休になることについては、
「うれしい」35%
「うれしくない」45%
だったのだそうな。
うれしくない人もいる、というレベルではなく、うれしくない人の方が多い。

押しなべて歓迎されていないかというとそういうわけではなく、性別や年齢でかなりはっきりした傾向があるのでそれを見ると、
男性は「うれしい」が43%、「うれしくない」40%
女性は「うれしい」28%、「うれしくない」51%
年齢別で「うれしい」と答えた人を見ると、
18~29歳は58%
30代は43%
60代は25%
70歳以上は18%。
どうやら女性には不評のようであり、ご高齢の皆様も全く楽しみにしておられないようだ。

なぜうれしくないのか、という理由までは突っ込んで書かれていなかったが、他の新聞の記事などを見ると、おおむね以下のような理由になるようだ。
まず、サービス業の人たちは、暦が休みになってもどうせその時期は休めないし、かえって混雑して大変になるという理由で敬遠されているらしい。
もっともと言えばもっともである。
また、非正規で働いている方々は、そんなに続けて休みになってしまうとその分収入が減る、ということを心配されておられるようだ。
こちらは切実である。
休める人たちも、まとめて休んでしまうとどこに行っても混むから意味がない、と感じておられるようだ。
まあ、そうかもしれない。

ここら辺はわかるのだが、高齢者の方に圧倒的に不評なのはどういうわけだろう。
休めない、というわけでもないだろうに。
また、ネットで主婦が歓迎していない理由として、
「10連休に3食を準備すると想像すると気が重くなる」
というのがあったが、なんと言ったらいいのか。

改めて日本人は休むのに慣れていないなあ、と思う。
心の問題だけでなく、
医療や保育や働き方などの仕組みも含めて。

嬉しくない人もいるかもしれないが、そもそもこの連休はお祝いの期間である。
日本の行く末を寿ぎつつ、心穏やかに過ごしたい。
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外国人観光客が3,000万人を突破 この先どうつなげていくか [お役所内案内士]

日本を訪れる外国人観光客が初めて年間で3千万人を超える見通しになった。
政府は2020年に年間の訪日客を4千万人にする目標を掲げているが、これを射程にとらえたと言ってもいいかも知れない。

元々の政府目標は、2020年に2千万人だった。
これが早々に達成されそうになったので、目標を一気に倍に引き上げた。
当初は、いくらなんでも倍は厳しかろうと思われたが、どうやら不可能な数字ではない。
ちなみに、2010年以降の訪日外国人観光客の推移は以下のようになっている。
10年 861万人
11年 622万人
12年 838万人
13年 1,036万人
14年 1,341万人
15年 1,974万人
16年 2,404万人
17年 2,869万人

東日本大震災の影響で2011年にかなり落ち込んでいるが、そこからは右肩上がり。
これまでの上昇幅と比べると今年の伸び率は下がるが、
西日本での豪雨災害、
相次ぐ台風、
北海道での大規模地震、
といった厳しい環境があったことを考えると、健闘したと言えなくもない。

もちろん、課題もある。
まず、けん引役がアジア諸国に偏っているという面がある。
「訪日外国人観光客」とまとめて言うが、中国、韓国、台湾、香港の4カ国・地域で全体のおよそ7割を占めるというから、結局、そこがどうなるかで人数は大きく変わる。
万一、以前のような反日デモでも発生しようものなら、中国から観光客はがたんと減ることになる。
有難いお客さんだが、頼りっぱなしはよくない。
また、訪日客は増えても、消費額はあまり増えていないと言われる。
高級ホテルの建設や夜の需要をどう取り込んでいくかがカギとなる。
災害時の対応や渋滞対策、セキュリティ問題なども避けて通れない。

外国人観光客が増えて迷惑を受けている人も少なくないだろう。
そうした方々は、もうこれ以上増えてほしくないと思っているかもしれない。
しかし、もうこの流れは止められない。
である以上、受け入れ方をしっかり整える方向で考えるしかない。
そして、課題を分散させる意味でも、経済効果を行き渡らせる意味でも、地方の頑張りが期待される。
成田や関空に着いたのち、東京や大阪を経ずに地方に行き、
そこで宿泊する人が増えれば、
さらにいい循環になる。
もちろん、そうなった場合、受け入れ側の問題がまた出てくるだろうが、それは解決しがいのある問題である。
訪日外国人観光客が増えて、みんなが喜べるようにしていきたいものである。

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映画評 「スマホを落としただけなのに」 [映画評]

「スマホを落としただけなのに」が、興行成績を伸ばしている。
「ファンタビ」や「ボヘミアン云々」のようなメガヒットにはなっていないが、コツコツ客を集め、累計興収は20億円をうかがっている。
監督は、「リング」で世界的に知られるジャパニーズホラーの第一人者中田秀夫さん。

テーマ的に、ホラーというよりサスペンスという感じだろうとは思ったが、中田監督だから心理的な恐怖を与えてくれるような作品を期待した。
その怖さが口コミで広がってヒットになっているのだろうから。
序盤は思いのほかほのぼのした感じで進み、
不思議なムードのBGMも流れ、
という妙な雰囲気なのだが、これから怖くなると思って観ているから、そこはかとなく不気味な感じがしなくもない。

しかし、30分過ぎ、60分過ぎ、90分過ぎても、ちっとも怖くなって来ない。
一番のクライマックスでは、ちょっと笑えてしまったりして。
おやおや、これはこれは。
どうやら、まったくの困ったちゃん映画だったようだ。

ツッコミどころとか数えだすと、ほとんど一から十までヘンテコリン。
ヘンテコでも怖ければ許されるのだろうが、怖さもどこにもなく。
この映画を大真面目に作っている監督はじめスタッフ一同が、ちと怖くはあるが・・・。

主演は北川景子さん。
本作ではいかんともしがたかったが、去年は「探偵はBARにいる3」、今年は「響 -HIBIKI-」で楽しませてくださった。
来年もよろしくお願いいたします。
お相手は、今年の顔の一人である田中圭さん。
本作ではほとんど活躍の場面がない。
ほかに、千葉雄大くん、バカリズムさんなど。
この作品では、誰がどう頑張っても空回りになる。

「スマホを落としただけなのに」は、いやはや困った作品。
ホラーというほど怖くはないし、
サスペンスというほど謎はないし、
恋愛というほどの深みはないし。
北川さんが出ずっぱりなので、大スクリーンで北川さんを観たい人にはいいのかもしれない。
あえて言えば。

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2年連続の惨劇 「女芸人No.1決定戦 THE W」 [ヨモヤ]

酷い番組を形容するときに、「放送事故並み」という表現が使われる。
昨年行われた第1回の「THE W」は、まさにそんな感じだった。
しかし、新しい試みが初めからうまくいくはずがない。
M-1だって、キングオブコントだって、だんだんに盛り上がっていった。
だから、お笑いファンとして、1回で見限ることはしたくなかった。

放送日、食事をしながら「THE W」を見ようとしたら、家族の猛反対を受けた。
去年の放送が完全にトラウマになっていて、「絶対に見たくない」と言うのである。
そこまで言わせる苦しさが去年の放送にあったのも事実だから、私はビデオでコツコツと見ることにした。
辛かったが、最後まで見通した。
見るものを辛い気持ちにさせるお笑い番組・・・。

全体的には、「今年も酷かった」と言わざるを得ないのだが、芸人さんたちが力を尽くされたのは確か。
一組ずつ簡単に振り返ってみよう。

第1試合 ゆりやんレトリィバァ vs あぁ~しらき
ディフェンディング・チャンピオンである「ゆりやん」は一体どうしたのだろう。
クスリともできないというより、面白さの要素を探す方が難しいネタ。
トップバッターから、沈黙の闇に引きずり込もうとする。
対する「あぁ~しらき」さんは、一番まずい女性芸人のパターン。
こういう方が好きだという人も世界は広いからおられるのだろうが、ゴールデンタイムで見るのはあまりにもしんどい。
しらきさんを決勝に出そうと思った神経の太さには、ほとほと感服つかまつる。

第2試合  吉住 vs ニッチェ
早速流れた不穏な空気が尾を引くなか、第2試合。
この2組は、笑えはしなかったが事故感はなかった(見る方の基準がぶれてきた)。
吉住さんの政治家ネタは面白くなくもないのだが、ひねりがなく途中で飽きてしまう。
ニッチェのネタも一本調子で、爆笑にはつながらない。

第3試合  根菜キャバレー vs 合わせみそ
2組とも、ほとんど即席のコンビらしい。
それが決勝の舞台に。
まあ、なんでもいいけれど。
根菜さんは、すべる漫才の典型のような感じ。
もう少し、テンポとかお気をつけいただかないと。
合わせさんは、異性との交際経験がないことをネタにしておられるが、いや、子どもじゃないんだから。
ちょっと前に「THE MANZAI」を見たばかりということもあり、なかなかしんどい時間だった。

第4試合 横澤夏子 vs 紺野ぶるま
このお二人は、しっかりとした芸をお持ちである。
ふう、やっと、安心して見られる。
横澤さんは達者。
そんなに笑いはしなかったが、十分にR-1決勝レベルに達している。
紺野さんのネタも笑いはしなかったが、
「どうしてくれる」
というセリフが耳に残り、何度も聞きたくなった。

第5試合 阿佐ヶ谷姉妹 vs 紅しょうが
横澤さんと紺野さんがそれなりの頑張りを見せ、これで最後の「紅しょうが」が爆笑ならハッピーエンドなのだが、THE Wにそんな奇跡が舞い降りるはずもなく。
阿佐ヶ谷姉妹は、まあ、ちゃんとしたネタになっていた。
キングオブコントの決勝に出ていても違和感はない。
紅しょうがのネタは、残念ながらちっとも笑えなかった。
それにしても、出てくる芸人出てくる芸人が、揃いも揃ってイタい女性ばかりを演じるのはどうしたものなのだろう。

ふう、これで10組を見終わった。
自分で自分をほめてあげたいが、まだ決勝ラウンドで5組見なければならない。
人生は修行である。

決勝1組目は阿佐ヶ谷姉妹。
1本目に続いてちゃんとコントにはなっていたが、笑うほどではなく。
2組目のあぁ〜しらきさんは、多くの人に辛い思いをさせたと思う。
見るものをいたたまれない気持ちにさせてはいけない。
3組目のニッチェは、1本目よりはよかったし、それなりに楽しめたが、オチが弱かった。
4組目の合わせみそを、またいつか見たいと思えるほど、私の心は強くない。
5組目の横澤夏子さんは、しっかりとした芸を披露された。さすがである。
結果、優勝は阿佐ヶ谷姉妹。

正直なところ、私はつまらないであろうことを十分に織り込んで見たので、それほど何とも思わなかったが、面白さを期待して見ていた人たちには衝撃だっただろう。
1年目の去年はある程度仕方がないとしても、2年連続の惨劇はあんまりだ。
番組の演出も酷いし、
芸人を選ぶ目も酷いし、
ネタを選ぶ目も酷い。
まあ、もちろん出ておられる芸人さんの責が一番重い。
万が一来年も続けられるのなら、
芸人の選び方を変えること、
決勝進出者を6組程度に絞ること、
番組中の余計な演出はやめること、
などを提案したい。

それにしても、これじゃあ、ちょっとあんまりだ。
続ける勇気も必要だが、止める勇気が必要な時もある。

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景気回復の実感がないと嘆いても仕方がない  ~ 景気回復「いざなぎ」超え 戦後2番目の長さに ~ [経済を眺める楽しみ]

景気の良し悪しの感覚は、どうしても人それぞれになる。
仕事の内容にもよるし、
地域にもよるし、
年齢にもよるし、
職場環境にもよるし、
その他もろもろ絡んでくる。
だから、どこかの公的機関が認定しないと景気がいいか悪いかさえはっきりしないことになる。

それを担っているのが、内閣府の景気動向指数研究会である。
そして、同研究会が、現在の景気気拡大について、高度成長時代に4年9カ月続いた「いざなぎ景気」を上回り、戦後2番目になったと認定した。
2012年12月に始まった景気の拡大は、現在も続いているとみられていて、戦後最長景気(いざなみ景気)も超える可能性が高い。
ただし、これはあくまでも長さについての話であり、1960年代後半の「いざなぎ景気」のように10%を超えるような成長は望むべくもない。

さて、こうした発表がなされると必ず聞かれるのが、
「景気がいいのは一部の大企業だけ」
「全く実感がない」
「どこの国の話だか」
といった声である。
気持ちはわからなくもないが、景気拡大が続いているのは事実である。
おっしゃっているご自身は実感されていないのだろうと思うが、日本経済全体としては悪くない状況が続いている。
それは、企業業績にも株価にも素直に現れている。

実感できない景気回復を祝う気になれないのはよくわかる。
豊かさを実感できない人が大勢おわれるのもわかる。
しかし、
「こんな認定なんの意味もない」と嘆いても、
「景気回復なんかしていない」と斜に構えても、
どうなるものでもない。
ここはひとつ、この景気回復とやらにうまく乗ってみてはどうだろう。
そんなことができるわけがないと投げずに、どうだろう。
嘆いているばかりよりは、どうだろう。

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朝日さん、毎日さん、まさか追随しませんよね  ~ 読売新聞が25年ぶりの値上げを発表 ~ [ヨモヤ]

新聞離れが言われている。
特に若者は、全く読まない層も増えているようだ。
「社会に関心がないから」とか、「ニュースなんか見なくてもいい」とか考えているわけではなく、
ネットで十分に情報は仕入れられると考えているのである。
確かに、ネットの方が速い上に多様な意見を参照できるという利点がある。

私は、新聞がないと落ち着かない。
普通紙に加え、経済新聞とスポーツ新聞も読んでいる。
新聞を読まなくても困りはしないだろうが、日々がつまらなくなる気はする。
ちょっとした本が2,000円ほどすることからすれば、毎日楽しませてもらえて月4,000円は、高くないと思っている。

読売新聞社が購読料の値上げを発表した。
現在超夕刊セットで4,037円のところ、363円引き上げて4,400円にするというのである。
なんでも、本体価格の値上げは1994年1月以来、25年ぶりなのだという。
よく頑張ってきたと言えなくもないが、世の中がこの間ずっとデフレであったのも事実である。

読売新聞は今回の値上げについて、
・販売店が経営難と従業員不足に苦しんでおり、値上げにともなう増収分は販売店の労務環境改善に充てる
・価格を据え置いてきた25年間で、最低賃金(全国加重平均額)が1.5倍に上がり、ガソリン価格も上昇した
・民主主義を支える戸別配達網を維持し、ご自宅に毎朝夕新聞をお届けするためのものである
としている。
新聞離れが進む中での料金改定は苦しい決断だったと思う。

読売の値上げについては、いろいろ意見もあるところだとは思うが、一企業の判断であり、とやかく言う筋合いのものではない。
これによって販売部数が減るリスクも十分に承知のうえでの決定であろう。
ただ、そんなことはないと思いたいが、朝日新聞や毎日新聞が追随するとしたら、それはおかしい。
現在、読売、朝日、毎日の3紙の料金は、月極め4,037円となっており下一桁まで同額である。
これでは、価格カルテルのようなものと言われても仕方がないだろう。
「社会の公器」を名乗る立場の新聞社がやるべきこととは思えない。

苦しいのはどこも同じだから、朝日や毎日でも料金の改定が行われるのはやむを得ないだろう。
しかし、読売と同じような時期に値上げし、しかも同額に寄せるとしたら、それは無しだと思う。
そんな恥知らずなことをするはずはないと信じたいが、念のため。

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今の中国で「となりのトトロ」がどう見られるのか [ヨモヤ]

宮崎駿監督の「となりのトトロ」が、はじめて中国で正式に上映されるのだそうだ。
中国でもジブリ作品は人気が高いと聞いていたのでちょっと意外だが、外国映画の本数規制などのため、これまで公開されていなかったのだという。
ではなぜ人気があるかというと、DVDで見られてきたからであり、例によってと言ってはなんだが、無断複製による海賊版も広く出回ってきたらしい。

スタジオジブリの星野康二会長によると、8年前から中国大陸での上映を目指し、準備を進めてきたとのことである。
その甲斐もあっての上映だが、驚くのはその上映館数。
なんと6,000か所だという。
ちなみに、現在大ヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」の日本での公開館数は約400。
10倍以上の差がある。
いやはや。
市場規模が違う。
これでは、世界中の映画会社が中国を目指すわけである。

中国語の吹き替えを担当した女優の秦嵐(チンラン)さんは、
「小さいころから見ていた映画に参加できて感動している」
と話したという。
劇場公開は初めてでも、トトロはそれだけ知られているということである。
それは、興行にとって追い風なのだろうか、それとも向かい風なのだろうか。
何度見てもいいものはいいと思うが、
日本で今からトトロを劇場公開しても大ヒットまでは行かないだろうから、
そう考えると苦戦するのかもしれない。

今や中国は、アメリカと肩を並べる超大国である。
国民全体の平均収入では先進国に及ばなくても、都市部では欧米並みかそれ以上に豊かな暮らしをしている。
その中国の人が、トトロの世界観をどう受け止めるのか。
興味深い。

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