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地球最大のお祭りが始まる [ヨモヤ]

とにかくいろいろあった。
悪いことばかりいろいろあった。

今もオリンピックに対して、肯定的になれない方も少なくないと思う。
大反対という方もおられるだろう。
しかし、選手に罪はない。
そこは共通認識にできると思う。
であれば、応援しよう。
苦しい期間を乗り越えてこの舞台に立っている選手の皆さんを、
心から応援しよう。

オリンピックの意義がわからない、という方がおられる。
それは一人一人の受け止め方だろう。
ただ、そこまでややこしく考えることでもないように思う。
オリンピックという舞台があり、
多くの人が懸命に準備を重ね、
選手たちがそこに集い、競う。
それでいいのではないだろうか。

私たちは、
それを楽しめばいいと思う。
心から応援すればいいと思う。
思い切り感動すればいいと思う。
これまでにあったあれやこれやは、
選手たちのパフォーマンスとは関係がないのだから。

オリンピックは地球最大のお祭りである。
お祭りは楽しんだもの勝ちだが、
今回のオリンピックでは、素直に楽しめない方もおられるだろう。
だから、楽しまなければ損、とは言えない。
いろいろな思いがあることもお察しするが、せっかくのお祭りである。
楽しめないからと言って水を差すのも野暮であろう。

世界中から、とんでもなく頑張った人たちが集まる。
美しく、かけがえのないものが観られる。
夢のような、奇跡のような瞬間が次々味わえる。
さあ、もう目の前だ。

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日本株は出遅れているのか、見限られたのか [経済を眺める楽しみ]

世界の株式市場のなかで、日本株の出遅れが目立っている。
年初からの比較で、世界の主要株式指数が軒並み数字を上げているなか、
日経平均はほぼ大発会時と同じ値。
「一人負け」に近いような状況になっている。

日本株が伸び悩んでいる原因としては、
・ワクチン接種が遅れ、他の国と比べて景況感の改善が鈍い
・コロナ後を見通したとき、日本経済の低成長ぶりが改めて懸念されている
・海外マネーの日本株離れが進んでいる
といったことが挙げられている。

ワクチンの遅れは挽回できるとして、
海外マネーの日本株離れは寂しい話である。
なんでも海外のヘッジファンドが、次々日本株から撤退しているというのである。
日本の株式市場は、市場規模はそれなりにあるが、成長性という点では今一つ。
しかも、長い期間今一つであり続けてきた。
それでは、海外勢に見放されるのも、ある意味やむを得ないのかもしれない。

日本経済の強みは製造業にあり、
製造業は景気回復時には大きな恩恵を受ける。
しかし、GAFAのようにプラットフォームを抑えているわけではないので、
長期的に上がり続けることは難しい。
他力本願的な株価変動になってしまっているのである。
アメリカの中小型株と同じような動きになっているという。
今年のように、
ひと相場終わった後であり、アメリカ・中国の持続的な回復に確信が持てない、
といったときには、どうしても上げていく力を持てないようだ。

日本の株式相場が出遅れているのなら、まだいい。
いつか取り戻されるだろうから。
見放されたのだとすると、事態は深刻である。
上がる時は他の相場次第、
下がる時は散々に売り込まれる、ということになりかねない。
これを回避するためには、
株式市場の魅力を高めること、
魅力的な企業の上場を進めること、
という当たり前のことを続けるしかない。
ずっとやって来たことだけれど、やり続けるしかない。
他の市場より速く、大胆に。

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吉田麻也選手の言葉が嬉しかった [ヨモヤ]

プロ野球や大相撲などのプロスポーツは観客を入れて行っている。
去年中止された甲子園も行われるし、地区大会にもお客さんを入れている。
各地でコンサートも開かれているし、
映画館も開いている。
それでいいと思うし、そうあるべきだと思う。

オリンピックが無観客となり、個人的には残念に思ったが、
開催自体に否定的な意見が多い状況であり、
無事にオリンピックが行われることを祈ることに専念し、
この判断がいいとか悪いとかは考えないようにしようと努めている。

サッカーの吉田麻也選手が、オリンピックを有観客にしてほしいとの願いをコメントした。
勇気のある発言だと思う。
本来、自分の意見を表明することに勇気が求められること自体おかしなことだが、
現状、思ったことを言うのは難しい。
しかし、私たちのような第三者的な存在ではなく、
実際にプレーする選手の口から思いを聴きたいと思っていた。

報道された内容をなるべくそのまま伝えると、吉田選手の気持ちは以下のような感じである。

「JOCの山下会長もオンラインの壮行会でおっしゃっていましたけど、自分が小さい時に見たオリンピックでものすごく感動したと。僕らが子供たちにできることは、ただ家の中に閉じ込めて友達と会わずに事が過ぎるのを待つだけじゃないと思うし、もっともっとできることがあると思う」

「僕も娘がいるし、僕の娘はたぶん僕のプレーを覚えてないと思うけど。そういう子供たちに絶対にいろんなものを与えられると思います。時差がなくてオンタイムで試合を見られるのは、僕が2002年W杯(日韓大会)の時にそうだったように、やっぱりものすごい感動と衝撃を受けるし。そのためにこそオリンピックを招致したんじゃないかなと個人的には思ってるので。」

「ソーシャルワーカーのみなさんが毎日、命をかけて戦ってくれているのは重々理解しているし、オリンピックができるだけで感謝をしないといけない立場にあるのは理解しています。でも忘れないでほしいのは選手たちもサッカーに限らず命をかけて、人生をかけて戦っているからこそ、この場に立てている。もっと言うとマイナー競技でこの五輪にかけている人はもっといると思う。そのためにも、なんとかもう1度真剣に(有観客開催を)検討していただきたいと思う。「

「家族もそうだと思う。じいちゃん、ばあちゃんだって、自分の孫がオリンピックに出る姿をリスクを背負っても見たいという人はいるだろうし。家族も、いろんなものを犠牲にして、我慢して、ヨーロッパで戦っている僕らをサポートしてくれている。家族も戦っている一員。その人たちが見られない大会で、誰のための、何のための大会なんだろうってクエスチョンがあります。」

そして最後に、こう付け加えている。

「真剣にもう1度、検討していただきたいと心から願ってますし、みなさん(報道陣)が発信してくれることを願います。」

物言えば唇寒しの状況が続いたので、選手たちが口を開かないのも十分に理解できる。
それでも、何か言葉が聞きたかった。
だから、吉田選手が口を開いてくれて、嬉しかった。
選手の当たり前の気持ちを正面から言ってくれて、嬉しかった。
これで状況が変わるとは思わないけれど、
吉田選手に託された報道の方々が動いてくれるとも思わないけれど、
嬉しかった。

吉田選手、ありがとう。

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なにはともあれ細田監督に感謝 [映画評]

細田守監督は、3年に1作のペースで新作を発表されている。
2006年 『時をかける少女』
2009年 『サマーウォーズ』
2012年 『おおかみこどもの雨と雪』
2015年 『バケモノの子』
2018年 『未来のミライ』
2021年 『竜とそばかすの姫』
という具合である。

「時をかける少女」に胸キュンさせられ、
「サマーウォーズ」にぶっ飛ばされた。
この2作で、細田監督への信頼度は確固たるものになり、
次回作を常に待望する監督となった。
期待を高めに高めた「おおかみこどもの雨と雪」では、
子を持つ親としてはぐっと胸苦しくなった。
前2作と比べるとなんとも言えないが、十分にいい映画だった。
「バケモノの子」は、「あれ?」と思ったが、まあ、そういうこともある。
宮崎さんだって外すことはある。
しかし続く「未来のミライ」も、「バケモノの子」以上に「?」だった。

予告編から既視感満載の「竜とそばかすの姫」には、公開前から否定的な意見が多かった。
私も心配していたが、細田監督なら覆してくれると信じた。
世界観が焼き直しでも、
より面白い作品を作ることは不可能ではない。
世界観で驚かさなくても、
ストーリーや登場人物の素晴らしさでいい作品にすることは十分に可能である。

3年ぶりの細田作品、ワクワクして待った。
既視感満載なのは承知していたが、
それでもやはり楽しみだった。

待ちきれず、公開初日に劇場に足を運んだ。
バケモノ&ミライと2作連続で「ありゃりゃ」でも、
細田監督作品を楽しみにする気持ちは残った。
何かが始まることをワクワクして待てることは幸せであり、
その幸せをくれている細田監督に感謝したい。

しかし、作品の評価は、感謝の思いとは別物である。
「竜とそばかすの姫」は、割と低めに設定していた期待値の下限をも下回る残念な作品だった。
はあ。

それでも、また3年後、細田監督の作品が公開されるのを楽しみにしていると思う。
今度こそはやり返してくれるのではないかと期待して。
3回連続で裏切られてはいるけれど。

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映画評 「東京リベンジャーズ」 [映画評]

このところ、ヤンキー映画に勢いがある。
去年公開された「今日から俺は!!劇場版」は、実写映画ナンバーワンのヒットとなった。
スカッとする感じが好まれるのだろうか。
今作も、公開前からかなりの話題となっており、ヒットが予想される。
劇場にも熱気があった。

「東京リベンジャーズ」は、人気コミック「東京卍リベンジャーズ」が原作。
“ヤンキー × タイムリープ”という組み合わせが吹っ切れた感じを出している。

展開やストーリーや設定やなにやらは、もう無茶苦茶。
物語を面白い方向に転がすためにやりたい放題である。
しかし、ここまでしっちゃかめっちゃかだと、かえってすがすがしくはある。
突っ込む気にもなれず、流れに身を任せる。

ただ、主要と思われる登場人物が尻切れで終わってしまったのは残念。
続編がある、ということなのだろうか。
二時間半の映画を、
何の脈絡も考えずに後半の30分をぶった切ってしまったように感じられた。
たとえ続編が作られるのだとしても、
一作でちゃんとけりを付けるのがプロの仕事であろう。
この点は実に残念。

メガホンは、このブログで何回も書いているが、「ヒロイン失格」が最高だった英勉監督。
直近の「賭ケグルイ絶体絶命ロシアンルーレット」はいかがなものかの出来栄えだったが、
吹っ切った本作で盛り返した。

主演は、歌に芝居に大活躍の北村匠海くん。
今回もしっかり役割を果たしていた。
共演として、山田裕貴くん、杉野遥亮くん、磯村勇斗くん、間宮祥太朗くん、吉沢亮くん、
といったイケメン俳優たち。
ちょっと高校生がしんどい感もなくはないが、まあ堅いことは言いっこなし。
可愛さがポイントの彼女に「福岡で1番可愛い女の子」こと今田美桜さん。

「東京リベンジャーズ」は、2021年の夏映画を引っ張りそうな雰囲気を持つ突き抜けた作品。
名作でも傑作でもないし、カルトでもなんでもないが、
単に楽しめる。
それで十分である。
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無観客・有観客 それぞれの決断を支持したい [ヨモヤ]

去年の冬から今まで、
新型コロナをめぐっていろいろあった。
悲しくなること、情けなくなること、
日本人ってこんなだっけと嘆くたくなるようなこと、
いろいろあった。
もう1年半経った。
過去形で書いたがまだ終わったわけではないし、これからも続くだろう。

日本の場合、オリンピック・パラリンピックの開催国であることが物事をややこしくさせてきた。
なにかにつけて議論をそこに持って行きたがる方も少なからず見受けられた。
しかし、オリンピックはもう目の前。
もう、傷つけ合うことは終わらせたい。
もう、貶め合うことは終わらせたい。

開催されることに不満な方もおられると思う。
無観客になったことに不満な方もおられると思う。
お気持ちはわかるが、そこで傷つけ合うより、前に進みたい。
貶め合うより、よりよい明日に向かいたい。

観客を入れるかどうかについては、
最後まできちんとした議論がなされなかったと思う。
観客を入れるべきと考える側は、
なぜそう考えるのか、
誰のために何のためにそうするのか、
リスクをどうとらえるのか、
伝えきれなかった。
入れるべきではないと考える側は、
感情論やそれを言ってはどうにもならないような責任論が多いように見受けられ、
噛み合わないままだった。

ほとんどの会場で無観客開催が決定し、選手の多くはがっかりしている。
若者や子供たちの目に焼き付けられなかった無念さは募る。
意義が失われたという意見もある(無観客を求めていた側がそれを言うのは違和感があるが)。
一方、有観客に決めた宮城県、茨城県、静岡県には多くの反対意見が寄せられているという。

意見は交わらない。
それはもうよくわかった。
どこまでも交わらないのだから、
不毛に貶め合うのはもうやめたい。

ここまで来たら、地域の判断を尊重すべきだと思う。
無観客、有観客どちらにしても大きな葛藤があったと思う。
苦しい決断だったと思う。
どちらの決定であったにしても、間違っていなかったと振り返れるように、
できる限りの協力をすべきだと思う。

傷つけ合うのは、そろそろやめにしたい。
この国のことを思うなら、
この国の人のことを思うなら、
もう前に進みたい。

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大谷という分業制の時代に現れた奇跡 [ヨモヤ]

プロ野球は分業制の時代である。
競技のレベルが上がるにつれ、
なんでもできる、
ということは困難になり、何かに特化することが求められるようになった。

投手は、かつては先発・完投が主流だったが、
先発・抑えに変化し、
今は先発・セットアッパー・クローザーという役割分担がなされている。
しかも、勝ちパターンのセットアッパーは最低二人以上いるのが普通で、
7回に投げる人、8回に投げる人、9回に投げる人、
がそれぞれ決まっている。

打者も役割分担を徹底している。
長打を打つ選手は徹底的に長打を狙い、
足のある選手は塁に出ることを目指す。

役割を決め込まず、なんでもすればいいじゃないか、
と思うかもしれないが、それは難しい。
投手なら、
長いイニングを投げる投手と短いイニングを投げる投手では、
球種も投球術も調整法も違う。
打者なら、
長打を狙うためには体を大きくしなければならないが、
足を使うためにはそれは得策ではない。

当然、投手と打者では鍛える場所も違ってくるし、
使う筋肉も違う。

先発投手としてローテーションを守りながら、
打者として長打を打ち、
盗塁をする。
あり得ない。

大谷の姿を見て、
自分も投げて打って活躍したいと思う選手は増えるだろう。
それはいいことだと思うが、
大谷クラスの選手が次々に現れるかというと、そんなことはないだろう。
あり得ないことをやっているからである。

二刀流が成立するためには、どちらの分野でも一流でなければならない。
一流に届かないのでは、どちらかに専念してもらった方がチームとしても得策である。
二刀流に挑戦しても、あまり報いられない。
打つだけの選手の倍もらえるわけではない。
だから、
大谷クラスの選手が次々に現れるかというと、そんなことはないだろう。
困難が大き過ぎるからである。

アメリカの野球ファンは、不世出の野球選手である大谷の姿を目に焼き付けようとしている。
私たちは、大谷を高校生の頃から知っている。
エヘン。

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映画評 「100日間生きたワニ」 [映画評]

本作は、「100日後に死ぬワニ」を原作としている。
2019年12月12日からTwitterアカウントで公開が開始され、
「死まであと○日」と明示されたワニの100日間を、4コマを1日として描いていたそうだ。
私は無関心なままだったが、当時は大きな評判となり、
連載終了日の2020年3月20日にはTwitterのトレンドで世界1位となったという。
その後、商業展開への批判が巻き起こり、さんざん叩かれたことは私も知っている。

愛読者でもなかった私は、本作の映画化を待望していたわけでは全然ないし、
映画化されたと聞いても観に行く気はなかった。
しかし、監督が「カメラを止めるな!」の上田慎一郎さんと聞いて気が変わった。
奇跡の傑作である「カメ止め」を作られた上田監督がこの難しい作品をどう料理されるのか、
急に楽しみになった。
前評判は史上空前の悪さだが、評判が悪くてもいいものができる可能性はある。

というわけで先入観なく観たのだが、
うん、ちょっとしんどかった。
前半後半とくっきり分かれていて、
前半がTwitterで連載されていた内容のダイジェスト的な内容で、
後半がその後日譚的な感じ。
前半では何も起こらず、
後半でも何も起きなかった。
何も起きなくても、いい作品はいいものだが、
本作の場合、ただ何も起きなかったという感じである。

初見の私には、ワニくんに対する感情移入は全くできなかった。
毎日少しずつ読み進めていれば違うのだろうが、
大きなスクリーンの中のワニくんは、映画の主役を張れる存在には見えなかった。

後半はカエルくんが登場。
ワニくんに輪をかけてメインを張れる存在ではなく、
「あれ、私は今ここでなにをしているのかしら」
という不思議な浮遊感を得ることができた。

お客さんはまばら。
どこの映画館でも同様のようだ。
最初はまばらな映画館が、クチコミによって少しずつ埋まっていく、
というストーリーも、本作では期待できそうにない。

時間が60分と短いのが救いだが、
その分安いわけではなく。
これを120分見せられたらしんどかっただろうから短いのは大歓迎だが、
もやもやもや。

上田監督は、「カメ止め」の後、
評価的にも興行的にも、厳しい作品が続いている。
次回作は、背水の陣になる気がするが、
そうなった方がいい作品を作られる方なのかもしれない。

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映画評 「いとみち」 [映画評]

毎週金曜日の日本経済新聞夕刊を楽しみにしている。
新作の映画評が掲載されるからである
これを見て、週末に観に行く映画を決めることも少なくない。

7月2日の夕刊では「いとみち」という映画がメインに取り上げられていて、
★は満点の5つだった。
そりゃ、観たくなる。

本作は、横浜聡子監督のメガホンによるものであり、脚本も務められている。
青森に生まれ、高校時代まで青森で暮らされた横浜監督が、
全編青森ロケで臨まれたということだから、気持ちの入った作品なのだろう。

内気で引っ込み思案だった主人公が、
いろいろな人と関わり合うなかで自分の道を切り拓いていく、
とまとめてしまうと、よくあるストーリーに思える。
実際、よくある展開なのだが、
しっかりした監督がしっかりした脚本を書き、
演者も気合を入れて演じると、
これが凡庸なものではなくなる。

主人公は、
映画のクライマックスで封印していた三味線に再び手を伸ばす。
これも青春物語の典型的なパターンと言える。
しかし、陳腐にならない。
三味線の巧拙などまるでわからない私だが、なにやらジンと来た。

全編津軽弁。
そのため、何を言っているのかわからないシーンもいくつもあった。
何故か、それさえも心地よく。

主演は、駒井蓮さん。
特訓の甲斐あって、見事な津軽弁と三味線を披露される。
代表作になったと思う。
祖母役の、西川洋子さんが素晴らしい。
役者ではなく三味線奏者なのだそうだが、自然な演技で引き込まれた。
演奏シーンはさすがの凄さ。
その他の登場人物も、バチっとはまっていた。

「いとみち」は、ご当地映画というジャンルに区分される作品なのだろうが、
その枠に収まらない面白さがある。
肩ひじ張らずに観られて、すっと楽しめる。
いい映画である。

おまけ
私が観に行った回は、入場者特典として青森のご当地パンである
工藤パンさんの「イギリストースト」がもらえた。
ちょうど昼時だったので、助かった。
映画が面白かっただけでもありがたいのに、
ご当地パンまで。
ありがたやありがたや。
toast.jpg
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百貨店のビジネスモデルは国外でも厳しい [ヨモヤ]

もう数十年も前になるが、卒業旅行でヨーロッパを回った。
貧乏学生のツアーであり、節約しながら数か国を旅した。
当時、パリでもローマでも、日本人の姿がやたらと目立った。
特に、ルイ・ヴィトンなどのブランドショップには、大げさではなく日本人しかいない感じだった。

予備知識なしにヨーロッパに行き、困ったことの一つは、
街中にトイレがないことだった。
まだ寒い時期だったこともあり、散策中に催すことがある。
そこで重宝したのが日系の百貨店であった。

ローマには有料の公衆トイレがあるのだが、それなりにかかるし汚いしで、
学生の身としては使いたくなかった。
「ローマ三越」があって助かった記憶がある。
高級品が多く、学生には手が出なかったが、ホッとできる空間だった。

その「ローマ三越」が10日、閉店してしまったそうだ。
1975年の開店以来46年続いた歴史に幕を下ろしたということになる。
コロナ禍にあって、
昨年はほとんど営業できず、
アジアからの観光客が戻るのがいつになるかもわからない、
というなかでは、これ以上踏ん張り切れなかったのだろう。
いい潮時だったのかもしれない。
これで、かつてロンドンやパリなど欧州各地にあった三越と伊勢丹の最後の1店が消えることになるのだという。

閉店の直接的な引き金はコロナ禍だが、
日本型百貨店のビジネスモデルは国外でも厳しくなっているのかもしれない。
かつて、百貨店で買い物をする、
ということはステータスでもあり、
間違いのないものを買えるという点でのメリットもあった。
情報があふれた時代にあっては、
間違いがないところで間違いがないものを買う、
ということにあまり価値が置かれないのかもしれない。
また、なんでもある、ということの価値も急速に薄れている。

世界の大都市に日系の百貨店があることは、なんとなく誇らしかったのだが、
時代は変わったということなのだろう。
寂しいが、
仕方がない。

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