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いっそ無税にすべき 競馬など公営ギャンブルの払戻金 [ヨモヤ]

会計検査院が、2015年に国税当局への申告義務があった高額払戻金127億円のうち、8割程度が申告されていない可能性があると発表した。

競馬や競輪などでの払戻金は、「一時所得」や「雑所得」に分類され、一定以上の収入があれば、課税対象として税務申告をする必要がある。
しかし、当選券の払い戻し段階では本人確認が行われていないため、納税は自主申告に頼らざるを得ず、多くがそれを怠っているというのである。

これを聞いて、人はどう思うだろう。
「払うべき税を払っていないとはとんでもない」
と怒るだろうか。
「え?払戻金に税金かかるの?」
と驚くだろうか。
「8割が申告していないということは、2割も申告してるってことか。申告してる人、意外と多いな」
と感じるだろうか。

税金を払っていない人の言い分からすれば、
・そもそも馬券を買った段階で、25%ものテラ銭を払っており、国庫には十分協力している
・高額の支払いがある宝くじは非課税なのに馬(車)券に課税されるのは納得できない
・はずれ馬券は費用として認められず、当たったときだけ税を取るのはあまりにもアンフェア
といったところになろうか。

この件について会計検査院は、大真面目に、
公営ギャンブルの関係省庁や主催者に対し、高額払戻金の自主的な申告を促す仕組みを充実させるよう求める方針だという。
それがお仕事とはいえ、ヤレヤレ。
いや、そんなマジにならなくても、オヤオヤ。

公営ギャンブルについては、無税にする方がさっぱりすると思う。
現状、申告している人の方が圧倒的に少ない状況だし、
これを取るように制度を強化するのはあまりにも無粋だし、
理屈としても無税でいいように思うからだ。
それほど変な話でも、無茶な話でもないように思うのだがどうだろう。

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映画評 「あの頃、君を追いかけた」 [映画評]

本作の予告編を何度か見たが、正直ピンと来なかった。
乃木坂の齋藤飛鳥さんがヒロインというが、彼女のこともよく知らないし、この映画は見送るつもりだった。
しかし、各種の映画評で高評価。
これは掘り出し物かも知れないと、急遽参戦した。

のっけから、青春の甘酸っぱさは存分に感じさせてもらったが、あまりにもツッコミどころが多く、これははめられたか、と思った。
だが、終わりに近づくにつれ、切なさが膨れ上がり、最後はわっしとつかまれた。
「なんだ、これ?」
と思う人も多い作品かも知れないが、私はやられた。
思い出すと、胸が締め付けられる。

本作は、同名の台湾映画(2011年)のリメーク。
元の作品を観ていないが、設定やらなにやら、かなり寄せているらしい。
そのせいなのか、おかしなシーンがいくつもある。
例えば、卒業式の後に入試があったり、
その入試の季節はどうやら夏のようだったり、
デートの場所がどうやら台湾のようであったり。

これらは、ツッコミどころというレベルを超えて、観るものを混乱させる大きな傷なのだが、ひょっとしてこうしたへんてこなシーンは、最後の場面で主人公が言っている別の世界を描いているのだとしたら合点がいく。
ネタばれになるのでこれ以上は書かないが、そう思って振り返ると、なにやら一層切なくなる。
YouTubeでオリジナル版を見ると、似たようなシーンがあり、おそらく本家に合わせているだけなのだろう。
しかし、あえてこうしたちょっと変な設定を挟むことで、観る側の空想を刺激しているとしたらどうだろう。
監督や脚本家が、本家に寄せているふりをしながら、観る側にこっそり仕掛けているのだとしたらどうだろう。
私の解釈は深読みし過ぎの無理筋で、製作者側に甘過ぎる気もするが、観る側の解釈でいかようにもとれるのが映画のいいところである。
また、そういう深読みをしたくなるような力が本作にはあった。

本作には、タイムスリップもなければ、花火大会も、学園祭もない。
登場人物は色恋だけではなく、勉強のこと、将来のこと、家のことも考えている。
私たちと同じように。
だからこそ、引き付けられる。
もっとこうすれば、もっとああすれば、という点はいくつもあるのだが、山とある欠点を帳消しにする何かがこの映画にはあった。

主演は、山田裕貴くん。
ぶっ飛んだ役を突き抜けた演技でやり遂げた。
齋藤飛鳥さん目当てのお客さんが多いだろうが、映画に引き込めたとしたら山田くんの力が大きい。
共演は、その齋藤飛鳥さん。
先に書いたようによく知らなかったが、現在人気絶頂の乃木坂46のなかでも、上位にランクする人気とのことである。
演技がうまいかどうかはともかく、この役にはピタッとはまっていた。
山田くんの幼馴染役に、売れっ子の松本穂香さん。
彼女の使い方はちょっともったいなかった。

あの時ああ言っていたら、あのときああしていたら、
全く違った世界になっていたかもしれない、と思うことはないだろうか。
互いに、好きで好きでたまらないのになぜか結ばれないことがあることを、どこかで悟っていたりはしないだろうか。
「あの頃、君を追いかけた」を観ると、そんな胸痛い思いが湧いてくる。
苦しくなる。
好き嫌いも、
評価も、
大きく分かれる作品だと思う。
完璧からはほど遠い。
しかし、私にはとてもいとおしい映画になった。
いろんなシーンを思い出して、年甲斐もなくキュンとしている。

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内閣改造後に支持率が低下するケースは珍しい  ~ しかし、大事なのはこれから ~ [ヨモヤ]

自民党総裁選挙の結果を受けて、第4次安倍改造内閣が発足した。
通常、内閣改造が行われれば支持率は上がる。
それはそうだ。
わざわざ改造して支持率を下げたのでは意味がないし、
世論としても、まあとりあえず期待してみようとなるのが普通だからだ。

しかし、今回の内閣改造では、逆に支持率が低下したようだ。
共同通信によれば、
安倍内閣の支持率は46.5%で、前回9月の調査から0.9ポイント減となり、
内閣改造を「評価しない」との回答は45.2%で、「評価する」の31.0%を上回ったという。
不支持は1.8ポイント減の38.2%だった。
毎日新聞によれば、内閣支持率は横ばいの37%であり、
安倍内閣に対する期待が高まったかとの質問には、「期待できない」が37%で、「期待が高まった」の8%を大きく上回った。
読売新聞では、内閣支持率は50%で横ばい。
内閣改造についての評価は、「評価する」が38%で、「評価しない」の45%を下回った。
日本経済新聞では、内閣支持率は50%となり、前回から5ポイントダウン。
内閣改造については、「評価しない」が44%で「評価する」の28%を上回った。

安倍内閣に対しては、朝日や毎日の支持率が厳しく、読売や日経は高めに出る傾向がある。
今回もその傾向に変わりはないが、内閣改造が評価されていない点は一致しているようだ。
目玉になるような人物もいないし、女性や若手の登用が進んだわけでもないので、評価のしようもないというのが実際のところかも知れない。

だが、言うまでもなく大事なのはこれからだ。
新内閣には、発足直後の不人気を仕事で取り返していくチャンスがある。
国民の期待が低いなかでの船出だが、いい仕事をすれば評価はついてくるはずだ。
大臣の働きぶりをチェックできる国民がどれだけいるのか、との疑問も出てくるだろうが、いい仕事は自然としみだしてくるものだと信じたい。

今のように、ちょくちょく大臣が変わる仕組みがいいとは思えない。
大臣になる人が、その省庁の仕事の専門家かどうかも微妙である。
しかし、今はそれを嘆いても仕方がない。
新しい大臣の皆さんに、存分に力を発揮していただくことを願おう。
2019年、2020年は、ビッグイベントが目白押しであり、足の引っ張り合いはやめて、大臣のもと、国民一丸となりたいものである。

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山を登らない勇気?と新プロジェクトへの細々とした意気込み  ~左腕さんサヨウナラ、右腕さんまたよろしく~ [55歳125キロプロジェクト]

2017年に勝手に実施した「50歳過ぎ腰痛持ちが、120キロの速球(?)を投げるプロジェクト」。
本当は、それより何年か前にやろうと計画していたことなのだが、ズルズルと50歳過ぎまで引っ張ってしまい、「まあ、無理だろうなあ」と思いながら始めてみたら、いろいろな方の協力により、幸いにも成功裡に終了した。

挑戦が成功したのも嬉しかったが、その過程も楽しかったので、新たな目標が欲しくなり、よせばいいのに始めたのが「利き腕じゃない方で110キロプロジェクト」。
右利きの私が左投げに挑戦し、2018年中に80キロくらいまでに上げて、2019年に110キロを目指すという2年がかりの計画であった。
それを決意したのが120キロを達成した直後の2017年10月。
その頃はある種の万能感もあり、頑張れば何でもできるような気がしていた。

しかし、年が明けた頃から、120キロプロジェクトの反動が出た。
やたらと肘肩首が痛いのである。
別にこの先があるわけではないので、スピードガンの前で腕も折れよと投げたのだが、本当に大きなダメージを受けてしまった。
あまりに痛みがひどくなったので、たまらず医者に行くと、
「何か、無理な運動をしませんでしたか」
と聞かれた。
はい、しました。

それでも、だましだまし利き腕じゃない方のプロジェクトを続けていたのだが、今度は大きな腰痛に襲われた。
ちと腰が痛い、というレベルではなく、情けないことに立てなくなった。
立てないのでは、仕事にも日常生活にも大きな支障をきたす。

幸い、立てないほどの激しい痛みは数日で収まったが、以来、左腕で投げるのが怖くなった。
普段と違う体の使い方が、お腰様のお気に召さないようなのだ。

「左腕プロジェクト、どうなっているの?」
と聞いてくださる方もおられ、やはり続けていこうかとも思ったが、どうもこの方向性は違うことに気づいた。
「気づくの遅いよ!」と言われればそのとおりなのだが、昨年の10月は舞い上がっていたのだ。

登山では、挑戦しない勇気も必要だと言われる。
天候が悪い、装備が十分ではない、体調が万全ではない、と判断したときは、どれだけ準備に手間をかけていようが、しっかりやめる判断をすることが大切というわけである。
「利き腕じゃない方で110キロプロジェクト」は、まだ登り始めてもいないような段階だと思うが、ここで勇気ある?撤退をしようと思う。
応援してくださった皆様、申し訳ございませんでした。

これに懲りて、もうおとなしくしていればいいのだが、新プロジェクトを始めようと思う。

かの経営学の巨人、ドラッカーさんは、こんな言葉を残されている。
「何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない。」
私にとって強みは、右腕で投げることであり、残念ながらほとんど使ってこなかった左腕での投球は弱みであった。
では、右腕で再び何事かを成し遂げよう。

そこで新プロジェクトは、
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球(?)を投げるプロジェクト」
である。
ちなみに私はまだ55歳にはなっていない。
これから2年ほどかけて、じっくり取り組んでいきたい。

「オイオイ、年齢を重ねたのにスピードを増す計画立てちゃってるよ。無理無理」
「こりゃまた、山を登らない勇気が見られそうだな」
などのツッコミはもっともである。
よしゃいいのに、と自分でもちと思う。

しかし、成算が全くないわけではない。
2017年は幸い120キロプロジェクトが成功したが、慌てて詰め込んだ感があった。
もう少しじっくりやれば、もっと行けたのではないかと思う。
また、詰め込んだせいか、チャレンジの当日は肩が痛く、万全ではなかった。
さらに、投球フォームもぐちゃぐちゃのままだった。
ここも修正の余地があると感じている。

じっくり、細々と続けていこうと思う。
2年後、2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの年である。
そこまで細々と。

勝手に立ち上げたプロジェクトをぽしゃらせたばかりで新プロジェクトを始めても説得力はないだろう。
期待度も信頼度もすっかり無くしているだろう。
それでもまあ、再び勝手に取り組もう。
何故そんなことをするのか、自分でもよくわからないけれど。

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映画評 「日日是好日」 [映画評]

先日NHKで、「“樹木希林”を生きる」という番組を見た。
NHKのディレクターが、亡くなるまでの一年間、希林さんに密着したドキュメンタリー。
改めて、希林さんのすごさ、面白さを思い知った。
となれば、日本での遺作となった本作を見逃すわけにはいかない。

茶道をテーマとした映画であり、あまり類作がない。
主人公を演技力に評価の高い黒木華さんが、その従姉を多部未華子さんが演じる。
ヒーロー的な俳優は出てこない。

お茶を始めるきっかけも、
日々もあれこれも、
どれも大きな波乱ではない。
逆に言うと、誰にでもありそうな話ばかりであり、それが胸に届きやすい面もある。
お茶の腕の成長と、
巡りくる季節が絡み合い、
静かに訴えるものがある。

ただ、あまりにもエピソードがブツ切れ過ぎる。
そのため、残念ながら入ってこない。
また、主人公のありようが全く魅力的ではなく、そこも感情移入を妨げる。
これは黒木さんが悪いのではなく、脚本と演出の問題。
くれぐれも寝不足で観に行かないように気を付けられたい。
すっと落ちてしまう可能性がある。

希林さんは、いつものように安定した演技。
これが最後かと思うと感慨が湧く。
「一期一会」という言葉についての場面では、映画の中の登場人物としてではなく、女優樹木希林さんの人生なども思い浮かび、出会いを大切にしようという気になった。
しかし、最後だからこそ、もう少しはっちゃけられなかったかという思いもある。
もちろん、監督は今作が最後になるとは思っていなかったのだから仕方がないが、もっと希林さんらしいシーンやセリフも欲しかった。
黒木華さんは、女子学生が大人になるまでの長いスパンを演じる。
学生の頃ははつらつと、大人になってから静謐に。
多部未華子さんは、始終元気な役。

本作は惜しい映画。
期せずして巡ってきた希林さん最後の日本映画作品という大チャンスを十分に活かしているとは言えない。
この題材で黒木さんと希林さんを得たのなら、もっと遠くまで行けた気がする。
黒木さんのファンにとっては、ほぼ出ずっぱりで顔のアップも多く、必見の作品であろう。
希林さんファンにとってはもちろん、
多部さんのファンにとってもいいだろう。

「日日是好日」と書いて、「にちにちこれこうじつ」と読む。
映画館の窓口で、「ひびこれこうじつ」とお間違えのないように。
言葉の意味は、映画を観て、それぞれが考えるというのがいいと思う。
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ベゾス氏の資産は18兆円超え  ~ 個人資産の膨張もAMAZONの進化も止まらない ~ [ヨモヤ]

米フォーブス誌が、2018年の米長者番付を発表した。
それによると、AMAZONの創業者で最高経営責任者のジェフ・ベゾス氏が初めて1位となったらしい。
2位は、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。
ゲイツ氏は、1994年以来24年間続けていた首位の座を明け渡したことになる。
それでも24年連続というのもすさまじい。

ベゾス氏の推定資産は、1600億ドル(約18兆1千億円)。
ここまでの額になると、あまりにもケタが大き過ぎてイメージしづらくなるが、
例えば、日本人の平均年収は500万円くらいといわれるから、その360万人分。
横浜市の人口が大体それくらいである。
1杯500円のラーメンなら360億食分。
1日3食ラーメンばかりを食べ続けるとして、3600万年分となる。
やたらと庶民的な計算をしてしまったが、これでは一層ピンと来ない。

ちなみに、現在の日本の消費税による税収が年間18兆円くらい。
割り返すと消費税1%が22日兆円ちょっと。
消費税を1%上げるかどうかで国を挙げて大騒ぎしているが、ベゾス氏個人の資産はその9倍もある。

昨今は、世界がAMAZON化していると言われる。
ありとあらゆるものがAMAZONで買えるから、他のネット企業はどんどん淘汰されているし、リアル店舗も厳しい戦いを強いられている。
人は便利なものを求め続けるものであり、AMAZONはそれに応えているのだから、決して悪いことをしているのではないが、これまでの価値観のようなものが覆されている面はあるだろう。

それにしても、さすがにここまで富が集中してしまうと、ちょっと違和感を覚えざるを得ない。
理解を超えたいびつがこれからも続くようだと、どこかで大きな揺り戻しがあるかも知れない。

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大学1~2年生が「働いてみたいと感じている企業・職種」で地方公務員が1位の微妙 ~ ちなみに2位はApple ~ [ヨモヤ]

リスクモンスターという企業が、インターネット上で大学1~2年生の男女から「働いてみたいと感じている企業・職種」をアンケート調査したところ、
1位が地方公務員
だったという。
どこかに就職しなければならないと焦っている4年生ではなく、夢も希望もあるだろう1~2年生が地方公務員を選ぶとは・・・。
地方公務員として、なんというか微妙な心持ちになる。

ちなみに以下の順位は、
2位 アップル
3位 国家公務員
4位 グーグル
5位 アマゾン
である。
5位までに公務員が2つ、バリバリの外資が3つ。
ムムムムなランキングである。
ちなみに前年は、地方公務員と国家公務員がワンツーだったそうだ。

大学1~2年生が就職先選びで重視する点は
「給与額」(54.6%)
だったというのだが、それでどうして地方公務員が1位になるのか理解に苦しむところである。
一方、希望する将来の働き方で一番多かったのは、
「プライベートを優先させたい」(24.8%)
だったそうだから、地方公務員ならそれが叶うと見込まれたのだろうか。
ますます、微妙な心持ちになる。

地方公務員の人気が高まることは、もちろん悪いことではない。
自治の現場に、若くて元気があって優秀な人が集まって来れば、地域の未来も明るい。
一方で、民間企業への就職に夢が見出せず、消去法的に選ばれているのなら、微妙というより残念である。
外資に人気が集まっていることが、日本の会社の魅力のなさを象徴しているようでもある。

大学1~2年生を対象としているということで、印象が大きく影響している面は強いだろう。
3,4年生になって、就職を自分事としてリアルにとらえるようになると、順位も変わってくるはずだ。
にしても、なんというか、微妙な心持ちなのである。

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映画評 「散り椿」 [映画評]

本作は、作られることの少なくなった本格時代劇映画。
本格時代劇には、
学校もなければ会社もない。
タイムスリップも花火大会もない。
移動手段も、よくて馬。
だから、人間そのものが伝わってくる。

おそらく、時代劇の映画を作るのは、お金の面でも手間の面でも大変なのだろうと思う。
そこをあえて作るからこそ、時代劇は作り手の懸命さが伝わってくる作品が多い。
本作も、作り手の息遣いが聞こえてくるようだった。

映像は静謐かつ繊細で美しい。
すべてのシーンで思いが行き届いている。
主人公は禁欲的な侍らしい侍。
張り詰めた空気のまま映画は進んでいく。

丁寧に作られた、しっかりした映画だと思うのだが、惜しむらくは物語が弱い。
ストーリーがスカスカで、
悪役にも深みがない。
剣の達人に対してなぜ鉄砲を使わないのよ、という言っちゃいけない謎もはらみつつ。

主演は、大作映画の真ん中に居続ける岡田准一さん。
押しも押されぬ映画俳優である。
その他、西島秀俊さん、黒木華さん、池松壮亮さんら。
富司純子さんのお姿が目を引いた。

「散り椿」は、モントリオール世界映画祭審査員特別賞作。
一年に一本くらいは正統派時代劇を観たい、という方にはピッタリ。
秋になにかちゃんとした映画を観たい、という人にもはまる作品。
脚本に、もう一押し二押しあれば偉大な作品になった可能性もあったのだが。

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iDeCo加入者が100万人突破 これはまだまだ増える [資産運用]

国民年金基金連合会が、iDeCoの加入者が100万人を突破したと発表した。
加入者が伸びるのは当然のことであり、驚きはない。
というより、これはまだ序の口であり、まだまだ増えるだろう。

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金 individual-type Defined Contribution pension plan」の通称。
イデコと読む。
年金制度の一つであり、その名称のとおり、
企業や団体ではなく個人が用意するものであり、
給付額は確定しておらず、拠出額のみが確定している。
要は、60歳までに毎月一定の掛け金を出し、その掛け金で投資信託や定期預金などの金融商品で運用し、60歳以降に運用した資産を年金のように受け取る、
というものである。

加入者が増えると思う理由は主に3つ。
1.加入できる対象者が去年から増えたにもかかわらず、まだまだ知られていないこと
2.年金への不信が強まっていること
3.iDeCoはやたらと有利な制度であること
である。

まず理由の一つ目の対象者だが、それまでフリーランスや自営業者などと、企業年金のない会社員に絞られていたものが、2017年1月からは、「公務員」「会社員で企業年金のある人」、「専業主婦・主夫など」も加入できるように改められた。
今では対象者が6,500万人以上。
現在の加入者100万人は対象者数の2%にも満たない割合である。
新たに対象になったことをご存じない方も少なくないだろう。
認知度が広がるにつれ、加入者も当然これからもっと増えていく。

2点目の、年金への不信は言わずもがな。
国に頼らず、自分で貯めていこうと考えている人が増えているはずだ。

3点目のiDeCoの有利さは、知っている人はよく心得ていて、そのメリットを十分に享受しているはずだ。
なにしろ、
・掛け金について、税額控除が受けられる
・運用中に得た利益に税金がかからない
・運用資産を受け取る時も、税の優遇がある
という豪華三本立てである。
これを使わない手はない。

もちろんiDeCoにも弱点はあって、
・60歳まで引き出せない
・自分で運用先を決める必要があり、マイナスとなる可能性もある
・手数料を取られる
といったところがデメリットとされる。
しかし、本気で自分の老後を考えるのなら、iDeCoは必ず選択肢に入れるべき制度である。

ここに来て、株がグイグイ上がっていて、こうなると投資に興味を持つ人が増えてくる。
だが本来は、上がってから始めては遅いことが多いし、老後のための備えに投資を考えるのなら、短いスパンで一喜一憂はしない方がいい。
毎月定額で積み立てて、じっくり商品を選ぶことができ、状況に合わせて乗り換えていける意味でも、iDeCoはオススメである。

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9月の読書記録 [読書記録]

9月に読んだ本は以下のとおり。

9月1日 「イノベ株を狙え!」 日経ヴェリタス編集部
9月2日 「昆虫の交尾は味わい深い・・・。」 上村 佳孝
9月3日 「トトロの生まれたところ」 スタジオジブリ
9月4日 「私は何か」 平野 啓一郎
9月5日 「消費税増税の大ウソ」 山家 悠紀夫、井上 紳
9月6日 「スノーボール・アース」 ガブリエル・ウォーカー
9月7日 「ツレがうつになりまして」 細川 貂々
9月8日 「イタリア~な日本人」 マリーノ・マリン
9月9日 「パッと伝わる!公務員のデザイン術」 佐久間 智之
9月10日 「新しいエクスプロージョン」 福原 克則
9月11日 「笑いで天下を取った男」 難波 利三
9月12日 「澤上篤人さんに本気でぶつけた質問状128」
9月13日 「住みたいまちランキングの罠」 大原 瞠
9月14日 「総理の影」 森 功
9月15日 「そしてドイツは理想を見失った」 川口 マーン 恵美
9月16日 「同性愛の謎」 竹内 久美子
9月17日 「恋する原発」 高橋 源一郎
9月18日 「デフレ論の誤謬」 神津 多可思
9月19日 「ミレニアル起業家の新モノづくり論」 仲 暁子
9月20日 「嘘つきは鼻をこする」 岡村 美奈
9月21日 「しゃべくり漫才入門」 元祖爆笑王
9月22日 「世界一やさしいビットコインの授業」 藤田 篤示
9月23日 「東京オリンピック1964」
9月24日 「ガール・ミール・ガール」 誉田 哲也
9月25日 「シネマ・ガール」 吉野 万里子
9月26日 「私を生きる」 安倍 昭恵
9月27日 「貧困クライシス」 藤田 孝典
9月28日 「LGBTを知る」 森永 貴彦
9月29日 「謎解き超常現象」 ASIOS
9月30日 「私は負けない」 村木 厚子

「昆虫の交尾は味わい深い・・・。」を書かれた上村佳孝さんは、イグノーベル賞の授賞者。
受賞理由は、「雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにしたこと」とか。
本作は、いろいろな昆虫の信じられない生態をわかりやすく示してくれていて、ほんに味わい深い。

難波利三の「笑いで天下を取った男」は、吉本興業を大企業に育て上げた林正之助氏の伝記。
林さんの激闘に加えて、ステージを下りた芸人たちの素顔も垣間見られて興味深い。

「東京オリンピック1964」は、前回の東京オリンピックを、当時の写真や文章で振り返る本。
今の人が振り返るのではなく、当時の人の当時の感性が読めたのは面白かった。

「私を生きる」は、何かとお騒がせの総理大臣夫人、安倍昭恵さんによるもの。
この本は2015年の出版なので、いろいろな騒動の前に出されている。
とにかく、一所懸命な方だということは伝わった。

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