SSブログ

映画評 「天外者」 [映画評]

この映画が制作された経緯は、映画のホームページによれば以下のようになる。
すなわち、
『本作の企画スタートは2013年。五代友厚の「想い」と「志」を次世代に継承するために製作総指揮の廣田稔をはじめ、市民有志が立ち上げた「五代プロジェクト」が映画化に向けて尽力。長い歳月を経てついに悲願の映画公開が実現した。』
ということである。
つまり、映画会社が企画・制作した作品ではない。
おそらく、資金面などでいろいろな苦労があったことと思う。
だから、通常の映画と同じように評価してはいけないのかとも感じる。

本作は、なんというかギリギリで映画という体なのである。
かつてあったテレビ番組「知ってるつもり?!」の再現ビデオのテイストと言えばわかりやすいだろうか。
いろいろなエピソードがブツ切れで提示され、そのシーンもなんだか大仰でドタバタの連続。
バックに流れる音楽もゆるゆるで、映画というには、ううむ。
出来栄えは置いておいて、
せめて五代友厚さんの業績といったようなものがちゃんとわかればいいのだが、それも今一つ伝わってこない。

「私は一体、何を見ているのかしら」ともやもやしながら映画は終了。
すると、一部のお客さんから拍手が沸いた。
映画が終わって拍手が沸くことはあまりないし、
失礼ながら拍手が沸くような映画でもないから驚いたが、
おそらく三浦春馬さんのファンなのだろう。
本作は、三浦さんをしのぶ映像として観るべきなのかもしれない。

共演は、坂本龍馬役を三浦翔平さん、岩崎弥太郎役を西川貴教さん、伊藤博文役を森永悠希さん。
三浦春馬さん演じる五代友厚を含めた4人は若い頃からの盟友として描かれているが、それぞれの人の業績もさっぱり紹介されない。
なにやらワーワーいっているうちに、年を取られたり斬られたり。
皆、楽しそうに演じておられるので、まあいいのだが。

「天外者」は、三浦さんの姿を見る映画。
普通に公開されているメジャー系の商業映画と思って観に行くと、「あれ?」となるのでご注意を。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事