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東京が転出超過でも 行き先は近場っぽい [ヨモヤ]

今年の春ごろから、東京から人が流れ出ていることが取り上げられてきた。
これまで地方から人を吸い上げる一方だった東京だが、
密集を避けたい、
リモートで働けるから物価が高いところに住む必要がない、
といった理由で転出超過が続いている。

こうした動きについて、テレビなどでは、
島や山の中に移住した人をピックアップし、
「人々の考え方が変わった」
的に伝えていることが多い。
確かにそうした方もおられるだろうが、多数はそうでもないようだ。

今年4~10月の都道府県別の転入・転出状況の調査で、
転入者が転出者を上回る「転入超過」の人数は、
埼玉県の9,704人が全国最多だったという。
2番目に人数が多かったのは神奈川県の8,956人、
3番目は千葉県の7,464人だったという。
ちなみに東京都は8,257人の「転出超過」。

この部分だけをとらえて見ると、
東京からの転出者のかなりの部分は首都圏内に留まっていること、
地方からの首都圏への転入は結局止まっていないこと、
が見て取れる。

リモートワークを認める会社が増えたことで、住む場所の選択肢が広がったことは事実だろうし、
パソナの淡路島への本社機能の移転のように、企業を上げて地方へ軸足を移すところも出てくるかもしれない。
しかし、現実的に考えて、都市部への人口移動がコロナ禍でぴたりと止まるとも思えない。

コロナ禍を一つの機会ととらえて、いろいろな自治体が都市からの人の流れを引き込もうとしている。
その政策には意味があるし、効果を上げている自治体もあるようだ。
ただし、首都圏への流入が止まっていないという今回の結果を見ても、マスの人員が地方に脱出するかというと、必ずしもそうではないだろう。
それはしっかりわかっておく必要がある。

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