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「勝負の3週間」もし負けたのなら負けたのは誰か [ヨモヤ]

先月の25日、西村経済再生担当大臣が
「この3週間が勝負だ」
と語られて以来、
「勝負の3週間」という言葉が使われてきた。
コロナの感染については、今日の対策が明日効いてくるわけではなく、1週間以上のタイムラグがあるとされているので、この3週間の成果が表れてくるのは、本来もう少し先の話であるはずだ。
しかし、ここのところでの感染者の急増をとらえて、
「勝負の3週間は敗北だった」
と位置付けているマスコミが多い。

実際には、本来ならもっと感染者が出る可能性があったところ、この間の対策で現在のレベルで抑えられているのかもしれないが、それは誰にもわからない。
だから、うまくいかなかったと判定するのは一つの見解としてはあり得ると思う。
気になるのは、マスコミの論調が、
どこかはしゃいでいるようにさえ見えることと、
負けたのは政府と受け止めているように見えることである。

感染者が増えて、医療機関が深刻な状況になってきているという。
政府は、ずっと感染について警戒を呼び掛けてきた。
にもかかわらず、行動を変えられず、それが結果として感染を増やしてしまったようだ。
もちろん、行動変容につながる政策を十分に打てなかったという意味で政府に責任の一端があることは当然として、
一人一人の行動はそれぞれが決めている。
だとしたら、負けたのは政府だろうか。
そうではないのではないか。
伝えるべきことを伝えきれていないマスコミの役割も小さくはないだろう。

そもそも、感染者が増えたことを、敗北ととらえるのも今一つしっくりこない。
敗北と決めつけることで、誰やらの責任を問おうとしている思いが透けて見える気がして、気持ちが悪い。

コロナとの戦いは長期戦である。
ワクチン接種が始まったが、それで途端に感染が止まるわけではない。
だから、一定の期間をとらえて、勝ったの負けたの言っても意味がない。
事実は事実としてとらえて、それを受けてどうすべきか、が大切である。
家に閉じこもるのではなく、人間らしく暮らせる方法を探っていきたい。

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