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GO TOを止めても一人一人が立ち止まらなければ [ヨモヤ]

感染者が増えると政府の無策を嘆く。
なにやらそういう流れができている。
政府が何かするたびに、「後手後手だ」と揶揄する癖がついているように見える。

先日、とある新聞のコラムにイギリスのことが取り上げられていた。
ワクチン接種を開始した日を「Vデー」と名付け、
90歳の女性が治験以外では世界で初めて同ワクチンの接種を受け、
そのことをジョンソン首相が誇らしげに語る様が素晴らしかったという。
イギリスはよくやっているようだと書き、
続けて、例によってこの言葉。
それにひきかえ我が国は・・・。

このコラムを書かれた方もさすがにご承知のことと信じるが、
イギリスの感染者数は180万人を超え、今も1日2万人近くが感染している。
日本の感染者数は20万人に満たない。
死者数に至っては、イギリスの方が25倍も多い。
ちなみにイギリスの人口は日本の半分である。
感染拡大が止まらないイギリスをうらやましがり、
イギリスの政治家と比べて日本は、と嘆くのはいったいどういう感覚なのだろう。

冬に入って感染が拡大しているのはイギリスや日本だけではない。
メルケル首相の対応が称賛されていた時期もあったドイツも1日に3万人超えの感染者を出し、
コロナ対応の優等生と言われていた韓国も第1波をはるかに上回る感染数となっている。
どこも大変だ。

だからといって、
日本の政治に文句を言うべきではない、
というつもりはない。
もっとやるべきこと、やれることはあるように思う。
ただ、
政府は何もやっていない、
日本のコロナ対策は特にひどい、
といったことは、全くの誤解であることは踏まえておきたい。

感染が拡大しているなかで、GO TOキャンペーンを続けたことに批判が高まった。
そうした意見も理解できるが、GO TOに責任を押し付けるのはどうだろう。
他国の状況を見ても、他に原因があるのではないか。
GO TOに感染拡大の根源を担わせることによって、大切なものを見失うのではないか。

感染症対策においては、政府や行政にできることには限界がある。
拡大を止めるのは、一人一人の行動にかかっている。
そして、日本はここまでしっかりやれてきた。
称え合うべきであり、蔑み合うべきではない。
感染者が増えるたびに、悪者を探してつるし上げようとするのはもうやめにしたい。

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